2022年度第1四半期連結決算(IFRS)に関するお知らせ

株式会社電通グループ(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員 CEO:五十嵐 博、資本金:746億981万円)は、本日開催の取締役会において、2022年度第1四半期連結期間(2022年1月1日〜3月31日、以下「当四半期」)の連結決算を承認しました。

【エグゼクティブサマリー】

  • 当四半期の連結業績は、国内および海外3地域の全てが好調で、前年同期比で大幅な増収増益となり、期初の想定を上回った。また、主要な業績科目全て※1で第1四半期として上場来最高を記録した。売上総利益は、オーガニック成長が9.1%となったことなどから、前年同期比(為替影響排除ベース)12.2%増となった。また、調整後営業利益とオペレーティング・マージンは、増収に加え、国内外での構造改革の効果により、前年同期比(為替影響排除ベース)で、前者は20.3%増の549億円、後者は140 bps増加の21.2%となり、力強いスタートとなった。
  • 2022年度通期では、第2四半期以降を慎重に見ることから、今年2月に発表した連結業績予想を維持する。連結オーガニック成長率の目標については、第1四半期の好調を反映し、4%から「4~5%」へと引き上げた。
  • 今後の成長を牽引するカスタマートランスフォーメーション&テクノロジー(CT&T)※2領域の売上総利益は、前年同期比(為替影響排除ベース)で22.5%増加し、構成比も31.5%となった。5月9日には同領域を強化するため、「イグニション・ポイント株式会社」※3を連結対象とした。
  • 2024年度までの中期経営計画のターゲットである「オーガニック成長率CAGRベース4〜5%」、「オペレーティング・マージン18.0%」、「配当性向35.0%」へ向けても順調なスタートとなった。

【当四半期の連結業績】

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注:※1~※6は、「注記」参照。

<当四半期の連結業績のポイント>

売上総利益(2,588億円、前年同期比+16.4%、為替影響排除ベース同+12.2%、363億円の増収)

  • 売上総利益の増加の要因は、オーガニック成長(+216億円、成長率〈連結9.1%、国内事業10.0%、海外事業8.4%(ロシア除外ベース9.2%)〉)、買収効果(+66億円)、為替影響(+81億円)。
    • 国内事業:広告領域およびCT&T領域の好調に加え、セプテーニ・ホールディングスの連結子会社化もあり、増収(1,191億円、前年同期比+14.9%)。
    • 海外事業:Americas、EMEA、APACの全地域、およびメディア、クリエイティブ、CXM(顧客体験マネジメント)の全てのサービスラインでプラスのオーガニック成長となり、増収(1,399億円、同+17.7%、為替影響排除ベース同+10.1%)。
    • CT&T構成比が順調に拡大。連結31.5%(前年同期差+260 bps、為替影響排除ベース+260 bps)、国内事業25.8%(同+210 bps)、海外事業36.4%(同+280 bps、為替影響排除ベース+330 bps)。なお、CT&T領域の成長率は26.7%(為替影響排除ベース22.5%)。

営業利益(407億円、前年同期比+41.3%、119億円の増益)

  • 調整後営業利益(549億円、前年同期比+22.0%、為替影響排除ベース同+20.3%)。
    • 国内事業:増収および構造改革の効果により大幅増益(426億円、同+25.6%)。オペレーティング・マージンは前年同期差310 bps増加の35.8%。
    • 海外事業:増収および構造改革の効果により増益(138億円、同+13.0%、為替影響排除ベース同+7.2%)。オペレーティング・マージンは、増収に伴い人財を増強したことから、前年同期差40 bpsの減少(為替影響排除ベース△30 bps)の9.9%(ロシア除外ベース 10.4%)。
  • 営業利益調整項目(△141億円、前年同期差19億円のマイナス調整額の減少)
    • 減損損失の増加(△135億円)があったものの、固定資産売却損益の増加(+117億円)などによりマイナス調整額は減少した。なお、当四半期の計上額は固定資産除売却損益116億円(非事業資産の売却)、減損損失142億円(この多くが、ロシア事業に関わる減損)。

当期利益(親会社の所有者に帰属)(239億円、前年同期比+389.3%、190億円の増益)

  • 営業利益の増加(119億円)に加え、段階取得に係る再測定による利益の計上などによる増益。
  • なお、調整後当期利益(親会社の所有者に帰属)は、前年同期比28.7%増の349億円。

【当四半期の連結業績の詳細】

<国内事業>

(単位:百万円、△は減少)

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※ 2022年4月1日に株式会社電通テックは社名を株式会社電通プロモーションプラスへ改称。当リリースでは、当四半期より「電通プロモーション」と表記。

堅調な広告領域に加え、顧客企業によるCT&T領域での旺盛な需要があったこと、また、セプテーニ・ホールディングスの連結子会社化により、売上総利益は14.9%と大幅に増収。会社別では、電通国際情報サービス(ISID)、電通デジタル、電通プロモーション、および CARTA HOLDINGSが大きく成長。オペレーティング・マージンは35.8%となり、第1四半期の国内事業としては過去最高を記録した。また5月9日には、DX領域のコンサルティング企業である「イグニション・ポイント株式会社」を連結対象とした。

<海外事業>

地域別の売上総利益・オーガニック成長率

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サービスライン別の売上総利益・オーガニック成長率

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※CXM:Customer Experience Management(顧客体験マネジメント)

海外事業の売上総利益は、前年同期比で17.7%増(為替影響排除ベース+10.1%)、調整後営業利益は同13.0%増(同+7.2%)となった。地域別、サービスライン別では下記の通り。

(地域別)

  • Americasの状況(売上総利益+28.5%、為替影響排除ベース+17.3%、オーガニック成長率13.4%):
    顧客の積極化した広告投資と新規のプロジェクト案件を、メディアおよびCXMサービスラインを跨って受注したことなどで13.4%のオーガニック成長となった。米国・カナダ市場の両方で、メディアサービスラインでの出稿の増加により14%台のオーガニック成長を記録。Merkleが主導するCXMは、期初の予想を上回り、クリエイティブサービスラインは一桁台半ばのオーガニック成長を達成した。2021年7月に買収した、顧客体験マネジメントとコマースに強みを持つ米国「LiveArea(ライブエリア)」も売上総利益の成長に貢献した。
  • EMEAの状況(売上総利益+7.1%、為替影響排除ベース+3.5%、オーガニック成長率3.3%(ロシア除外ベースで5.3%)):
    CXMサービスラインは、既存顧客からの収入の増加に加え、2021年度よりも多くの大型の競合案件があったことから、EMEA全体で2桁のオーガニック成長となった。クリエイティブサービスラインでは、金融、ラグジュアリー、旅行セグメントで新規案件の獲得が進み、第2四半期以降にも多くの有望な案件獲得の機会が控えている。英国は、屋外広告の伸長により10.6%のオーガニック成長。それ以外にも多くの国で成長し、デンマーク 24.4%、イタリア8.1%、ドイツ5.3%のオーガニック成長となった。
  • APACの状況(売上総利益+13.0%、為替影響排除ベース+5.2%、オーガニック成長率5.2%):
    CXMサービスラインは、アナリティクスおよびマーケティングテクノロジー領域の実装に関わる需要の増加により約20%のオーガニック成長となった。オーストラリアは、メディア、CXM、クリエイティブ全てのサービスラインに跨る案件で新規顧客を獲得し、12.0%のオーガニック成長となり、継続的な回復を続けている。中国は、メディアサービスラインは回復したが、クリエイティブサービスラインが大きく減少し、マイナスのオーガニック成長となった。インドは、CXMサービスラインの大幅な成長によりプラスのオーガニック成長となった。また、台湾とタイは、それぞれ6.0%、8.0%のオーガニック成長となった。

(サービスライン別)

  • メディアの状況(売上総利益+12.9%、為替影響排除ベース+6.4%、オーガニック成長率6.4%):
    大型顧客との関係性を特に強化している。新規競合案件の機会はローカルとグローバルの顧客の両方で増加している。その内90%が、喪失ではなく新規獲得の機会となる競合案件。大半の顧客企業は広告投資を継続させる傾向にある。
  • クリエイティブの状況(売上総利益+12.0%、為替影響排除ベース+0.5%、オーガニック成長率1.4%):
    多数の新規顧客の獲得により、EMEAとAmericasで好調。北米では8%、英国、スペイン、オーストラリア、タイなどでもプラスのオーガニック成長となった。2022年度は、新マネジメントであるFred Levron(フレッド・レブロン)のリーダーシップの下、クリエイティブサービスラインにとっては、大きな変化の年となる。
  • CXMの状況(売上総利益+27.7%、為替影響排除ベース+20.9%、オーガニック成長率14.8%):
    顧客企業によるテクノロジーとデジタルトランスフォーメーション需要により、Americas、EMEA、APACでそれぞれ、15%、14%、20%のオーガニック成長となった。顧客体験やコマース分野は特に拡大が加速している。安定収益の構成比率や新規顧客獲得の機会は年々増加しており、2022年度はこの傾向が続き、その後の成長も期待できる。

【ロシア事業による業績への影響について】
当社グループは、グローバル企業として国際的な制裁措置に準拠する観点からロシア事業を見直しており、現地合弁会社の当社持分を合弁の相手先企業へ譲渡する方向で交渉を進めている。この譲渡に関連して、第1四半期に計上した減損損失などに加え、第2四半期にも追加の費用計上を想定し、精査を進めている。当費用の大半は、現金支出を伴わない為替換算調整勘定の組替調整(その他の資本の構成要素から損益計算書への振替)によるものであり、2022年度の売上総利益、オーガニック成長率、調整後営業利益、およびオペレーティング・マージンへの影響は想定していない。

【2022年度(2022年1月1日~12月31日)の通期連結業績予想】
第1四半期は想定を超える実績となったが、第2四半期以降の世界情勢や、それに伴うマクロ経済の不透明さを勘案し、2月に公表した2022年度の連結業績予想は変更しない。年間オーガニック成長率目標については、第1四半期における想定以上の成長を反映し、国内事業では「2〜3%」を維持するが、海外事業では「4〜5%」から「5~6%」へ、連結では「4%」から「4〜5%」へ引き上げた。オペレーティング・マージンについては、国内事業において第2四半期以降に成長投資を見込むことから、連結での通期のガイダンスは「17.7%」を維持する。
今後も引き続き、中期経営計画(2021~2024)の2024年度ターゲットである「オーガニック成長率CAGRベース4〜5%」、「オペレーティング・マージン18.0%」、「配当性向35.0%」の達成とともに、「B2B2S (Business to Business to Society) 」企業グループへの進化により、持続的な企業価値の向上を目指す。

2022年度の連結業績予想数値(IFRS基準、2022年1月1日~12月31日)

(△は減少)

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為替は、2022年度業績予想は2022年1月平均、2021年度実績は2021年1-12月平均。

<事業セグメント別ガイダンス>
オーガニック成長率:連結 4~5%、国内事業 2~3%、海外事業 5~6%
オペレーティング・マージン:連結 17.7%、国内事業 22%、海外事業 2021年度(15.9%)と同水準

【参考資料】

売上総利益の各構成

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※売上総利益に占めるCT&T領域の構成比を今後50%へ高めることを目指す。

連結決算の範囲

(2022年3月末時点の会社数、カッコ内は2021年3月末)

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以 上

注記:

※1. 主要な業績科目は、収益、売上総利益、調整後営業利益、オペレーティング・マージン、調整後当期利益(親会社の所有者に帰属)、営業利益、当期利益(親会社の所有者に帰属)を指す。

※2.「カスタマートランスフォーメーション&テクノロジー(CT&T)」は、当社が2021年2月発表の中期経営計画で示したマーケティングテクノロジー、カスタマーエクスペリエンスマネジメント、コマース、システム・インテグレーション、トランスフォーメーション&グロース戦略などの事業で構成される高成長領域のこと。国内事業においてはBX領域、CX領域、DX領域の合計、海外事業ではCXMを指す。

※3. イグニション・ポイント株式会社 コーポレートサイトURL: https://www.ignitionpoint-inc.com/

※4.「調整後営業利益」は、営業利益から、『買収行為に関連する損益』および『一時的要因』を排除した、恒常的な事業の業績を測る利益指標。『買収行為に関連する損益』:買収に伴う無形資産の償却費、M&Aに伴う費用、被買収会社に帰属する株式報酬費用、完全子会社化に伴い発行した株式報酬費用。『一時的要因』:構造改革費用、減損、固定資産の売却損益など。

※5.「オペレーティング・マージン」は、「調整後営業利益÷売上総利益」で計算。

※6.「調整後当期利益(親会社の所有者に帰属)」は、当期利益(親会社所有者帰属分)から、営業利益に係る調整項目、条件付対価に係る公正価値変動額(アーンアウト債務再評価損益)・株式買取債務に係る再測定額(買収関連プットオプション再評価損益)、これらに係る税金相当・非支配持分損益相当などを排除した、親会社所有者に帰属する恒常的な損益を測る指標。

(注)将来の事象に係る記述に関する注意
本資料上の業績予想については、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断をしたものであり、潜在的なリスクや不確定要素等の要因が内在しています。そのため、様々な要因の変化により、実際の業績はこれらの予想数値と異なる可能性があります。

【リリースに関する問い合わせ先】
株式会社電通グループ グループコーポレートコミュニケーションオフィス 小嶋、杉浦
Email:group-cc@dentsu-group.com

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