グローバルCEO
メッセージ

顧客と社会の成長に最もインパクトを
提供するGrowth Partnerを目指して

−顧客起点・機動力・協働によって、
企業価値を再構築する−

株式会社電通グループ
取締役 代表執行役 社長 グローバルCEO

佐野 傑

社会やビジネスを取り巻く環境が急速に変化する中、常に時代の潮流を捉え、その先にある未来を創造していくための進化を続けてきた電通グループ(dentsu)。1901年の創業以来、私たちは人の心を動かす力を起点に、企業や社会が抱える課題に向き合い、新たな価値や活力を生み出してきました。

dentsuは今、大きな転換点にあります。
AIの急速な進化によって、短期的な課題解決が今後ますます高度化・効率化される中で、私たちが提供すべき価値は、単なる効率化や既存課題への対応ではありません。人のクリエイティビティによって、企業や社会の持続的な成長機会を生み出し、人々に未来の希望や活力をもたらすことだと考えています。

その実現に向けて、私たちは現実にも真正面から向き合わなければなりません。日本事業は、2021年度から継続した成長を達成している一方、海外事業では、収益性が低下している領域や競争優位性を十分に発揮できていない事業が存在しています。

厳しい状況を乗り越え、再び持続的な成長を実現する。そして、その先に、私たちが目指すのが「顧客と社会の成長に最もインパクトを提供するGrowth Partner」です。

まずは事業・組織の変革を加速させ、収益性の回復と財務健全化に最優先で取り組んでまいります。将来の持続的な成長に向けた投資余力を生み出し、重点領域への投資とケイパビリティの強化を図るとともに、AIを業務に深く組み込み、人とAIそれぞれの強みを活かすことで、一人ひとりの生産性を高めていきます。また、AI時代に求められるスキルや専門性を備えた人財の獲得・育成・定着を進めることで、組織全体の競争力を高め、顧客や社会の成長により大きなインパクトをもたらしていきたいと考えています。

海外事業においては、抜本的な不振ビジネスの見直しと経営基盤の再構築を進め、機動的に動ける組織への転換を進めています。2026年8月に、2028年度までの3カ年の計画として中期経営計画のアップデートを発表しましたが、これまで掲げてきた方針を維持しながら、成長に向けた経営資源の配分と各事業地域の役割をより明確にしました。

すべての事業地域に同じ戦略を当てはめるのではなく、市場環境や競争優位性に応じて、それぞれが自らの強みを磨きながら、事業地域を越えて連携することで、グループ全体の持続的な成長につなげていきます。

こうした戦略を実行していく上で、私が特に重視しているのが、「顧客起点(Client Centricity)」「機動力(Agility)」「協働(Collaboration)」の3つです。徹底した顧客起点から、高い機動力、協働による最適な統合によって、クライアントの成長に資する価値を提供することこそが、電通グループならではの競争優位であると考えています。

dentsuの最大の資産は、人財です。AI時代だからこそ、人の想像力、好奇心、洞察力、意思、情熱がこれまで以上に重要になります。dentsuが長年培ってきたメディア、クリエイティビティに加え、コンサルティング、テクノロジー、データ、スポーツ&エンターテインメントなど、多様な専門性を掛け合わせることで、他社にはない独自価値を生み出すことができます。

同時に、企業価値の源泉は、社会からの信頼にあります。だからこそ、経営層および従業員一人ひとりが、高いインテグリティを持って推進していけるように環境を改革していきます。ガバナンスの高度化と、インテグリティを最優先する企業文化の浸透を進めるとともに、AI活用に伴うリスクに対しても、グローバルでのルール整備と従業員教育を継続しています。

顧客の皆さま、社会のステークホルダーの皆さまにご支援をいただきながら、持続的な成長を実現し、「顧客と社会の成長に最もインパクトを提供するGrowth Partner」となるために。dentsuは着実に歩みを進めてまいります。