2021年度第2四半期連結決算(IFRS)、2021年度通期連結業績予想および2021年度の剰余金の配当に関するお知らせ

株式会社電通グループ(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:山本 敏博、資本金:746億981万円)は、本日開催の取締役会において、2021年度第2四半期連結累計期間(2021年1月1日〜6月30日、以下「上期」)の連結決算、2021年度通期連結業績予想、および2021年度の剰余金の配当について承認しました。

【エグゼクティブサマリー】

  • 上期は、コロナ禍からの経済回復により、国内および海外3地域(Americas/EMEA/APAC)の全てで大幅な業績回復が見られ、連結のオーガニック成長率は5.4%、売上総利益は為替影響排除ベースで前年同期比5.6%増となった。また、調整後営業利益とオペレーティング・マージンは、増収に加え、国内外での構造改革およびコストコントロールの効果により、為替影響排除ベースの前年同期比で、前者は35.9%増の716億円、後者は360 bps増加の16.3%となった。
  • 第2四半期のみでは、コロナ禍で大きなマイナス成長となった前年同期の反動もあり、オーガニック成長率は15.0%(国内事業12.0%、海外事業17.0%)となった。国内外の構造改革の効果もあり、オペレーティング・マージンは前年同期比+370 bpsの改善。調整後営業利益は同71.6%増となった。
  • 上期の制度上の利益項目では、コロナ禍からの経済回復に加え、固定資産売却益の計上もあり、営業利益は前年同期比2.9倍の843億円、当期利益(親会社の所有者に帰属)は前年同期比2.3倍の361億円となった。これらはともに、上期として上場来最高益。(東証1部上場:2001年11月30日)純営業活動によるキャッシュ・フローは業績の回復および運転資本の減少により1,092億円の改善。
  • 2021年度の通期では、コロナ禍の影響で世界経済は引き続き不透明であるものの、オーガニック成長率は1桁後半、オペレーティング・マージンは2022年度目標を1年前倒しし、国内事業20.0%、海外事業15.0%を目指す。また、上期の実績に加え、下期も成長を見込むこと、および固定資産売却益の計上により、制度上の営業利益、当期利益(親会社の所有者に帰属)は、それぞれ上場来最高益の2,096億円、1,075億円を予想する。
  • 2021年度の配当性向(基本的1株当たり調整後当期利益ベース)の目標を30%とし、これに伴い、1株当たり中間配当金50.5円、予想年間配当金101.0円とする。配当金額としては上場来最高額。

【2021年度上期の連結業績】

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注:※1~※3は「項目の定義」を参照。

(2021年度上期 地域別売上総利益構成比とオーガニック成長率)

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<上期(1-6月)の連結業績のポイント>

売上総利益(4,405億円、前年同期比+7.8%、為替影響排除ベース同+5.6%)

  • 売上総利益の増加の要因は、オーガニック成長(+225億円、成長率〈連結5.4%、国内事業4.5%、海外事業6.2%〉)、買収効果(+6億円)、為替影響(+85億円)。
    • 国内事業:コロナ禍からの回復基調の中、引き続き堅調なデジタルソリューション領域を中心に成長(1,880億円、前年同期比+5.5%)。
    • 海外事業:第2四半期はAmericas、EMEA、APACの全地域で2桁のオーガニック成長となり、上期で増収(2,528億円、前年同期比+9.7%、為替影響排除ベース同+5.8%)。
    • カスタマーテクノロジー&トランスフォーメーション(CT&T)※4の構成比が拡大(連結:29.4%、前年同期は27.6%)。

営業利益(843億円、前年同期比+193.5%、約2.9倍)

  • 調整後営業利益(716億円、前年同期比+35.8%、為替影響排除ベース同+35.9%)
    • 国内事業:増収に加え、主にコストコントロールによる大幅増益(430億円、前年同期比+13.1%)。オペレーティング・マージンは前年同期差160 bps増加の22.9%。
    • 海外事業:全3地域での増収に加え、2020年12月から実施している構造改革やコストコントロールの成果により大幅増益(309億円、前年同期比+76.7%、為替影響排除ベース同+77.5%)。オペレーティング・マージンも同じ要因により、前年同期差460 bps増加(為替影響排除ベースでは同+500 bps)の12.3%。
    • 連結のオペレーティング・マージンは上期として過去5年で最高の16.3%。
  • 営業利益調整項目(127億円、前年同期差367億円の増加)
    • 主に、固定資産除売却損益の増加(+291億円)などによる増加。

当期利益(親会社の所有者に帰属)(361億円、前年同期比+128.6%、約2.3倍)

  • 金融費用(収益との相殺後)225億円の計上、法人所得税費用の増加(+116億円)があったものの、営業利益の増加(+556億円)により約2.3倍。
  • 調整後当期利益(親会社の所有者に帰属)は、前年同期比52.6%増の431億円。

【2021年度第2四半期(4-6月)の連結業績】

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四半期情報は、開示数値との整合性を重視して累計差額方式で算出。
注:※1~※3は「項目の定義」を参照。

<第2四半期(4-6月)の連結業績のポイント>

  • オーガニック成長率は、コロナ禍からの経済回復により、第1四半期がまだマイナス2.4%だったのに対し、第2四半期ではで15.0%を達成。国内事業は12.0%、海外事業では3地域全てで2桁のオーガニック成長となり、17.0%の力強い成長を達成。
  • 売上総利益は主に顧客企業のデジタルソリューション需要増により、前年同期比で20%増加。需要は引き続き回復基調にある。
  • 増収に加え、2020年から遂行する国内外の構造改革の効果もあり、第2四半期のオペレーティング・マージンは、前年同期比で+370 bpsと大きく改善し、12.2%。
  • 営業利益は同約13.7倍、当期利益(親会社の所有者に帰属)は同約71.2倍となった。

四半期別オーガニック成長率の推移

(売上総利益ベース、%、△はマイナス成長)

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四半期別オーガニック成長率の推移(海外地域別)

(売上総利益ベース、%、△はマイナス成長)

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【2021年度上期の連結業績の詳細】

<地域別の状況(国内)>

顧客企業によるデジタルトランスフォーメーション需要により好調を維持したデジタルソリューション領域の成長に加え、顧客企業によるマス広告出稿が回復したこと、また、事業変革により強化されている統合ソリューションの提供が拡大したことにより、売上総利益は前年同期比+5.5%となった。オーガニック成長率は第1四半期のマイナス0.9%に対し、第2四半期では12.0%、上期では4.5%となった。会社別では、電通デジタルとCARTA HOLDINGSなどが大幅に成長、加えて、構成比の大きい(株)電通の売上総利益も3.1%増となり国内事業の増収に貢献した。調整後営業利益およびオペレーティング・マージンは、増収とコストコントロールにより、それぞれ13.1%増、160 bps増と大幅に増加した。なお、売上総利益と調整後営業利益はコロナ禍影響前の2019年度上期を上回る結果となった。
2021年2月15日に発表した構造改革についても、顧客企業と社会の持続的成長にコミットする「Integrated Growth Partner(インテグレーテッド・グロース・パートナー、IGP)」への進化を加速させるべく、コーポレート機能新会社の設立、複数の国内事業子会社の合併、およびドリームインキュベータ社の持分法適用会社化などを実施または実施の決定をしている。また、「電通本社ビル」を電通ジャパンネットワーク全体の事業の中核とすべく、各社の同ビルへの本社移転を進めているが、既に本社を置く、または移転を決定した会社は20社を超えており、事業の創発・高度化に向けて着々と準備を進めている。

国内事業 会社別売上総利益の状況(IFRSベース)

(単位:百万円、△は減少)

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※「地域電通」は100%連結子会社の電通東日本、電通西日本、電通九州、電通北海道の4社の合計。

<地域別の状況(海外)>

構造改革は計画どおり進捗しており、160のエージェンシーブランドを6つのリーダーシップブランドに集約する再編はその3分の1以上が完了した。また、賃貸オフィスの効率化は2021年度目標を達成済みで、法人数の削減は2021年度の計画数の4分の1を完了した。
中期経営計画(2021~2024年度)の達成に向けて、企業買収活動を再開。カスタマートランスフォーメーション&テクノロジー(CT&T)※4の強化に向けて、7月には顧客体験マネジメントとコマースに強みを持つ米国「ライブエリア」の買収を発表した。
世界最大のクリエイティビティの祭典であるカンヌライオンズ 2021において、電通グループは、エンターテインメント部門の最高賞であるグランプリを含め、計24個の賞を獲得。同部門のグランプリに選ばれたのは、dentsumcgarrybowen Taiwan(電通マクギャリーボウエン台湾)が不動産会社のために制作したショートムービー「IN LOVE WE TRUST」(広告主名:SINYI REALTY)。
このクリエイティビティをさらに強化すべく、世界のクリエイティブ業界を牽引してきたFred Levron氏をGlobal Chief Creative Officerとして招聘することを決定。本年11月1日付で電通インターナショナルのクリエイティブ関連事業のトップに就任する。
 

上期の海外事業の売上総利益は、前年同期比+9.7%(為替影響排除ベース同+5.8%)、調整後営業利益は同+76.7%(同+77.5%)となった。

海外事業 地域別の売上総利益・オーガニック成長率

(△は減少またはマイナス成長)

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海外事業 サービスライン別の売上総利益・オーガニック成長率

(△は減少またはマイナス成長)

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※顧客体験マネジメント(Customer Experience Management)

Americasの状況(上期:売上総利益+4.1%、為替影響排除ベース+5.6%、オーガニック成長率5.1%、第2四半期のみ:オーガニック成長率 15.5%):
北米市場は、カナダと米国においてメディアサービスラインが好調だったことで、第2四半期のオーガニック成長率は15.1%となった。この傾向は下期も継続することが見込まれる。また、多くの新規顧客の獲得も収益向上に寄与した。CXMサービスラインは、データ活用とデジタルトランスフォーメーションの需要増により好調に推移した。クリエイティブサービスラインは、第2四半期における新規顧客の獲得が顕著であることに加え、昨年度に失ったアカウントの前年比での影響が上期で一巡したため、下期には好調が期待できる。

EMEAの状況(上期:売上総利益+16.4%、為替影響排除ベース+8.7%、オーガニック成長率8.7%、第2四半期のみ:オーガニック成長率 22.0%):
第2四半期は顧客企業による統合サービスへの需要が顕著に高まり、3つのサービスラインの全てで2桁のオーガニック成長を達成した。また、国別ではコロナ禍からの経済回復に後押しされ、フランス、スペイン、英国で20%超のオーガニック成長を達成した。

APACの状況(上期:売上総利益+10.4%、為替影響排除ベース+3.6%、オーガニック成長率3.6%、第2四半期のみ:オーガニック成長率 10.2%):
第2四半期は、オーストラリア、インドネシア、韓国、シンガポール、タイが2桁のオーガニック成長率となり、地域全体でも10.2%となった。また、中国は第2四半期で多くの新規顧客を獲得できたことから上期で1桁後半のオーガニック成長を達成し、オーストラリアは既存顧客とのビジネスがサービスラインを横断して拡大したことで1桁前半のオーガニック成長となった。なお、インドでは再度深刻化したコロナ禍の影響を受け、マイナスのオーガニック成長となった。

【2021年度(2021年1月1日~12月31日)の通期連結業績予想】

2021年度の上期はコロナ禍からの経済回復に後押しされ、国内および全ての海外地域の業績に大幅な回復が見られた。依然として、コロナ禍の影響で主要市場のマクロ経済は不透明であるものの、下期もこのモメンタムを維持し、構造改革の効果も享受しつつ適切なコストコントロールを継続していく。この前提で、通期のガイダンスを上方修正し、オーガニック成長率は1桁後半、オペレーティング・マージンは2022年度の目標を1年前倒して、国内事業20.0%、海外事業15.0%とした。コロナ禍からの経済回復に加え、固定資産売却益の影響も織り込むことで、制度上の営業利益と親会社の所有者に帰属する当期利益は、それぞれ上場来最高益となる2,096億円、1,075億円を目指す。

なお、当連結業績予想には、具体的に検討している電通本社ビルの譲渡および賃貸契約の取引が2021年度内に実現した場合の業績への影響額として、営業損益へ約870億円、親会社の所有者に帰属する当期損益へ約560億円をプラス要因として反映している。
さらに、構造改革費用として、国内事業で240億円、海外事業で40億円、合計280億円を営業損益のマイナス要因として反映している。

今後も引き続き、中期経営計画(2021~2024年度)のターゲット「CAGRベースのオーガニック成長率3〜4%、オペレーティング・マージンの漸進的な改善と連結ベース17.0%」の達成を目指す。

2021年度の連結業績予想数値(IFRS基準、2021年1月1日~12月31日)

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注:※1~※3は「項目の定義」を参照。
為替は、2021年度業績予想は2021年1-7月平均、2020年度実績は2020年1-12月平均を使用。

【剰余金の配当について】

2021年2月15日に発表した中期経営計画において、基本的1株当たり調整後当期利益に対する配当性向を、今後数年で35%まで漸進的に高めていくことを掲げている。この方針に基づき、2021年度の配当性向は30%を目標とした。これに伴い、1株当たり配当は、中間配当金50.5円、予想期末配当金50.5円、予想年間配当金101.0円とする。なお、1株当たり年間配当金は上場来最高の水準となる。

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※基本的1株当たり調整後当期利益と1株当たり年間配当金により算出。

【参考資料】

売上総利益の各構成

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連結決算の範囲

(2021年6月末時点の会社数、カッコ内は2020年6月末)

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以 上

項目の定義:

※1.「調整後営業利益」は、営業利益から、『買収行為に関連する損益』および『一時的要因』を排除した、恒常的な事業の業績を測る利益指標。『買収行為に関連する損益』:買収に伴う無形資産の償却費、M&Aに伴う費用、被買収会社に帰属する株式報酬費用、完全子会社化に伴い発行した株式報酬費用。『一時的要因』:構造改革費用、減損、固定資産の売却損益など。

※2.「オペレーティング・マージン」は、「調整後営業利益÷売上総利益」で計算。

※3.「親会社の所有者に帰属する調整後当期利益」は、当期利益(親会社所有者帰属分)から、営業利益に係る調整項目、条件付対価に係る公正価値変動額(アーンアウト債務再評価損益)・株式買取債務に係る再測定額(買収関連プットオプション再評価損益)、これらに係る税金相当・非支配持分損益相当などを排除した、親会社所有者に帰属する恒常的な損益を測る指標。

※4.「カスタマートランスフォーメーション&テクノロジー(CT&T)」は、当社が2021年2月発表の中期経営計画で示したマーケティング・テクノロジー、カスタマーエクスペリエンスマネジメント、コマース、システム・インテグレーション、トランスフォーメーション&グロース戦略などの事業で構成される新領域。

(注)将来の事象に係る記述に関する注意
本資料上の業績予想については、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断をしたものであり、潜在的なリスクや不確定要素等の要因が内在しています。そのため、様々な要因の変化により、実際の業績はこれらの予想数値と異なる可能性があります。

【リリースに関する問い合わせ先】
株式会社電通グループ グループコーポレートコミュニケーションオフィス
TEL:03-6217-6601   Email:group-cc@dentsu-group.com

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