リプレゼンテーションの推進
電通グループでは、マイノリティグループが正当な代表性を持って公平に扱われている状態「リプレゼンテーション」の実現をめざして、グローバル全従業員約71,000人を対象に、様々な啓発活動を推進しています。4つの各事業地域における主要な取り組みをご紹介します。
JAPAN(日本)
マイノリティ当事者の実体験をもとに制作した啓発動画「Cafe DEI」(日本語+英語字幕)
「LGBTQ+篇」では、dentsu Japan従業員当事者が実際に体験したエピソードをもとに、なぜ企業がLGBTQ+に取り組む必要があるかについてわかりやすく説明します。
また、「障がい篇」では、障がいにおける「社会モデル」 ※1をテーマに、当事者の意見を交えながら個人レベルでもできる「合理的配慮」 ※2のあり方について解説します。
EMEA(欧州、中東、アフリカ)
マイノリティに属するdentsu従業員の見えざる声を明らかにしたショートフィルム「Visible Voices」(英語)
2023年の国際女性デーに合わせて欧州・中東・アフリカ地域で作成された「Visible Voices」は、dentsuの従業員が個人のストーリーを語り、視聴者が当事者の思いや現実を知ることができるショートフィルムです。
「ジェンダー平等篇」では、職場における男女格差がさまざまな要因によって引き起こされているという事実を多面的に取り上げています。「LGBTQ+コミュニティ篇」では、LGBTQ+当事者のdentsu従業員のリアルな声を紹介し、当事者が生きる世界がどのようなものなのかを視聴者に「想像」してもらうことを目的としています。
APAC(アジア、オセアニア(日本を除く))
LGBTQ+コミュニティへのマイクロアグレッション※3に気付く
「Walk in Our Shoes」キャンペーン(英語)
“Pride 2023”の取り組みの一環として、dentsuのリーダー層に「Walk in Our Shoes」キャンペーンに参加してもらい、LGBTQ+の人たちが日常で経験している差別やマイクロアグレッション、社会での生きづらさへの理解を促しました。このキャンペーンは、組織におけるLGBTQ+コミュニティへのアライシップ※4の必要性についてより強く啓発することを目的としています。
※1 障がいにおける「社会モデル」とは、人々の障がいを個人の問題ではなく、その障壁を生み出している社会全体の問題と捉え、社会側の責務として障壁を取り除いていこう、という考え方です。これに対して、障がいを個人の心身機能の問題として捉えるアプローチを、「障がいの医学モデル」と呼びます。dentsu Japanは障がいを「社会モデル」として捉え、障がいのない人を前提に作られた社会のシステムや、仕組みの方に原因があると考えて、その解決に取り組んでいます。現在、日本においても、「社会モデル」に基づいた「合理的配慮」の提供が、企業には義務付けられています。
※2(社会モデルに基づく)「合理的配慮」とは、障がいのある人が、障がいのない人と同じように社会生活に参加できるよう、周りが環境を整えることを意味します。
※3「マイクロアグレッション」は「小さな攻撃性」と訳され、相手を差別したり、傷つける意図がないにも関わらず、 何気ない日常の会話の中で結果的に相手を傷つけてしまう発言や言動を意味します。これは、自分と異なる人に対する 無意識の偏見や無理解、先入観によって引き起こされます。
※4 アライシップとは、マイノリティグループの当事者でない人が、マイノリティグループの人たちを理解し、支援することです。マイノリティのアライシップのアライは、英語のally(味方・同盟・支援)という意味です。