電通グループ、中期経営計画を発表
2021.02.15
- IR(適時開示)
- 経営・組織
―構造改革と事業変革による持続的な成長の実現―
株式会社電通グループ(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:山本 敏博、資本金:746億981万円)は、本日開催の取締役会において、2021年度から2024年度を対象期間とする電通グループ「中期経営計画 ―構造改革と事業変革による持続的な成長の実現―」を策定しましたので、お知らせいたします。
近年、事業環境は大きな変化の渦中にあります。生活者はデジタル化の加速によりパーソナライズ化された顧客体験を求め、広告会社の事業モデルは従来的なエージェンシーモデルから経営レベルでの協業関係にまで発展するパートナー型へと進化しています。また、テクノロジー、オートメーション、ニアショア/オフショア活用などによって従業員の働き方が変わり、顧客への価値提供のアプローチも変わってきています。そして、これらの動きはコロナ禍によって速度を増し、社会全体に影響を与えており、広告業界もその大きな波に直面しています。
こうした変化に迅速に対応していくために、当社グループは2020年8月より「包括的な事業オペレーションと資本効率に関する見直し」に着手し、以降、「合理的で機動的な組織構造」、「恒久的なオペレーティングコストの低減」、「バランスシート効率化の加速」、そしてそれらによる「長期的視点での株主価値の最大化」といった明確な目標を掲げ、既に、海外事業の構造改革※1や保有株式の売却などの一部施策を2020年度中から実施してきました。また、本日、国内事業の構造改革と300億円を上限とした自己株式取得を発表しました。2021年度からは包括的な見直しを受け、環境変化に合わせた「構造改革」と持続的な成長のための「事業変革」を加速するべく、2021年度から2024年度までの4年間を対象とする成長戦略として「中期経営計画 ―構造改革と事業変革による持続的な成長の実現―」を策定しました。
当社グループはその存在理由を「顧客、パートナー、そしてすべての⽣活者の成⻑に寄与することによって、よりよい社会を実現するために存在する」と定義しています。そして、事業戦略の中核には、マーケティングの領域を超え、グループの多様なケイパビリティを統合することで顧客企業のトップライン成長を実現する「Integrated Growth Solutions(インテグレーテッド・グロース・ソリューション)」を据えています。また、顧客の事業がより良い社会の実現に寄与し、同時に顧客自身の成長にも繋がることを支援する「dentsu Sustainable Business Solutions(電通サステナブル・ビジネス・ソリューション)」を推進していきます。当社グループは、当中期経営計画を達成することで、これらを体現していきます。
中期経営計画の実現に向けて、当社グループには競合他社にはない強みと機会を有しています。スポーツを含むコンテンツ事業領域に加えて、グループ会社間およびパートナー企業との連携によって、顧客企業のデジタルトランスフォーメーションに貢献する幅広いケイパビリティを有しています。この領域を当社グループでは「Customer Transformation & Technology(カスタマートランスフォーメーション&テクノロジー)※2」と呼び、グループの中で最も高い成長率を示しています。機会としては、今後、国内市場では顧客企業のデジタルトランスフォーメーションに対する需要の高まりが想定されること、海外市場でも当社グループが持つ多様なケイパビリティを統合・強化することによって、既に取引を有するグローバル規模の顧客企業のさらなる成長に貢献できることなどが挙げられます。
この強みと機会を成長に結び付けるため、当社グループは2021年度までに自らの変革を成し遂げ、中期経営計画で掲げる「事業変革と成長」、「オペレーションとマージン」、「資本配分と株主還元基本方針」、「ソーシャルインパクトとESG」という4つの柱に注力し、2022年度からの成長の加速と収益性の改善を実現していきます。
■中期経営計画のアクションプランとターゲット
1. 事業変革と成長
- Integrated Growth Solutionsとdentsu Sustainable Business Solutionsの推進。
- カスタマートランスフォーメーション&テクノロジーを事業として確立するとともに、マーケティングコミュニケーション事業を革新させ、両者を統合したソリューションの提供を実現。
- グローバルクライアント:
キークライアントとの関係を深化させ、グループの収益力向上へ。 - 投資戦略:
新しいテクノロジーやソリューション開発、イノベーションへの投資を通じてのオーガニック成長と、高成長領域であるカスタマートランスフォーメーション&テクノロジーへのM&A・投資によりケイパビリティとスケールを拡充。
ターゲット:
- 2021年度から2024年度のオーガニック成長率をCAGRベースで3〜4%。
- 売上総利益に占めるカスタマートランスフォーメーション&テクノロジー領域の構成比を、当中期経営計画期間を通じて向上させ、将来的に50%へ。
2. オペレーションとマージン
- シンプルな事業構造:重複と複雑さを低減。
- ニアショア・オフショア活用のさらなる拡大。
- テクノロジーの活用により、グループ内のコミュニケーションを進化させ、オフィスコストを圧縮。
- グループ機能を標準化し、コスト効率を改善。
ターゲット:
- 連結オペレーティング・マージン※3を2021年度から2024年度にかけて漸進的に改善。
3. 資本配分と株主還元基本方針
- 規律ある資本配分方針。
- グループ全社にわたる成長に向けた投資。
- 配当の漸進的な向上。
- 大規模な資産売却が発生した場合の追加的な株主還元の検討。
ターゲット:
- 中期的なNet Debt/EBITDA倍率は1.5倍水準 (IFRS 16控除ベース)。
- 成長領域であるカスタマートランスフォーメーション&テクノロジーへの投資にフォーカス。
- 配当性向(基本的1株当たり調整後当期利益ベース)を今後数年で35%へと漸進的に引き上げ。
4. ソーシャルインパクトとESG
- 社会貢献を通じた事業成長戦略とソーシャルインパクトへの取り組みを経営のトップレベルで統合する「サステナブル・ビジネス・ボード」の新設。
- 気候変動へのインパクト最小化に向けた貢献。
- ダイバーシティ&インクルージョンの企業文化の醸成と機会の提供による、グループ内のすべての人財の成長支援。
- 長期的な事業成長のための最適なガバナンス体制の確立。
ターゲット:
- 2030年までにCO2排出量を46%削減、2030年までに再生可能エネルギー使用率100%を達成。
- 従業員エンゲージメントスコアの向上。
- 従業員のダイバーシティ&インクルージョンの推進。
2020年10月、当社グループは長期的に目指す方向性として、「an invitation to the never before.」というタグラインと8つの行動指針「8 WAYS」からなるdentsuの新しいビジョン&バリュー※4を掲げました。この下で、世界中の電通グループ内の企業・個人、さらには外部パートナーとの価値創造へ向けた協業を推進・加速することで共創の文化を構築し、多様性を競争力につなげていく企業風土を広く浸透させていきます。
当社グループは、この文化・企業風土を礎として、あらゆる変化に柔軟に対応しながら、中期経営計画で掲げたターゲットの達成を目指します。そして、2025年度以降も顧客企業および社会全体の成長に貢献し続けることで、持続的な成長を実現してまいります。
※1. 海外事業の構造改革については、2020年12月7日発表のニュースリリース「2020年12月期通期業績予想、ならびに海外事業における事業構造改革の実施および費用計上の見込みに関するお知らせ」をご参照ください。国内事業の構造改革については、本日発表のニュースリリース「国内事業における構造改革の実施および費用計上の見込みに関するお知らせ」をご参照ください。
※2. 「カスタマートランスフォーメーション&テクノロジー」事業は、マーケティング・テクノロジー、カスタマーエクスペリエンスマネジメント、コマース、システム・インテグレーション、トランスフォーメーション & グロース戦略など新領域の事業。
※3. オペレーティング・マージン:調整後営業利益÷売上総利益
※4. dentsuの新しいビジョン&バリューの詳細はこちらのウェブサイトをご参照ください。
電通グループ ブランドサイト URL:https://brand.dentsu.com
以 上
【リリースに関する問い合わせ先】
株式会社電通グループ グループコーポレートコミュニケーションオフィス
TEL:03-6217-6601 Email:group-cc@dentsu-group.com
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、現在リモートワークを実施しております。
同期間のお問い合わせは、Eメールにてお願いいたします。