電通ジャパンネットワーク

企業の持続的な発展にコミットし、
社会課題の解決に貢献

(株)電通グループ 取締役執行役員
電通ジャパンネットワーク 社長執行役員 CEO
(株)電通 代表取締役社長執行役員

榑谷 典洋

電通ジャパンネットワーク(DJN)は、160を超える事業体から構成されるグループで、2万人ほどのメンバーが活動しており、2021年度は、グローバル全体の中で、売上総利益の43%、調整後営業利益の約半分を占めています。

DJNが目指す姿

DJNでは、電通グループの経営方針である「B2B2S」をいち早く具現化するために、企業と社会の持続的な発展にコミットするインテグレーテッド・グロース・パートナー(IGP)となることを目指しています。環境変化が常態化する中で、課題を細分化して個別に深掘りしていくアプローチだけでは、抜本的な解決を図ることができません。企業ビジョンの達成に向けて、将来にわたる安心・安全を守りながら、大胆なイノベーションを実現するには、生活者と企業と社会の関係を結びなおす必要があると考えています。DJNは、このようなケイパビリティの確立に向けて、自らの事業変革を推進しています。

DJNの事業変革

DJNは、「広告コミュニケーションの革新(AX)」を含む「あらゆる顧客体験の創造(CX)」、その高度化を支える「データ・テクノロジー基盤の構築(DX)」、そして、企業パーパスの再定義から商品・サービスの開発に至るまでをサポートする「ビジネスデザイン(BX)」、このABCD-Xを、統合したソリューションとして提供することを通じて、IGPとしての役割を果たそうとしています。この内、BCD-Xが、カスタマートランスフォーメーション&テクノロジー(CT&T)に内包される領域です。

DJNの事業変革にあたっては、オーガニックな施策とともに、様々な専門性を有するパートナー企業群とのアライアンス戦略も積極的に実施しています。これまでに、セプテーニ・ホールディングス、CARTA HOLDINGS、データアーティスト、イグニション・ポイントなどがDJNに参画し、IGPのフォーメーション構築のための基礎工事が完了しつつあります。

DJNのソリューション体系

CT&T領域の人財構成比を2024年度には40%以上に

DJNの成長に向けて、大きなポイントとなるのは、人財の確保です。AX人財を安定確保しながら、CT&T人財の獲得を加速させることによって、DJNにおけるCT&T人財構成比を、2021年度の30%から、2024年度に40%以上まで高めていきます。

激化する人財の獲得競争には、DJN各社を横断した新卒およびキャリア採用の強化、既存人財のリスキリングに向けた育成プログラムの充実などによって対処しています。DJNの拡大するビジネスドメインは、スキルアップと社会貢献に高いモチベーションを持つ人財にとって魅力的なフィールドであり、離職率は業界平均を下回り、大手コンサルティングファームなどからの転職も増加しています。

DJNの成長

IGPの前提となるソリューションの幅と品質については、一定の整備・拡充が進んだことから、今後は顧客企業への展開スピードを加速し、更なるスケールアップを推進していきます。

2021年度の業容に関して、まず、AX事業は、コロナ禍前の水準を超えて回復しましたが、マス広告のNo.1シェアを維持しつつ、成長が続くインターネット広告においても、セプテーニ・ホールディングスも含めたDJNグループとしてシェア、伸び率ともに日本国内No.1となりました。

一方、CT&T領域の売上総利益は、2019年度比で+29.1%と大幅な伸長を達成。この結果、DJNの売上総利益に占めるCT&T領域の構成比は、20%超となりました。これは、ISIDや電通デジタルが持つ高度なシステムインテグレーション能力に加えて、DJN各社が培ってきたクリエイティビティ、コンシューマーインテリジェンス、プロジェクトマネジメントの力が高度に融合、機能したことによるものです。

また、プラットフォーマーやテックカンパニー各社との共同開発による先進的なソリューションの提供も拡大しています。個人情報の保護を万全に行いつつ、生活者の興味・関心に寄り添ったコミュニケーションを図るためのデータクリーンルームは、その典型的な実例です。

インターネット広告 DJN(含むセプテーニ)
売上高成長率
インターネット広告 DJN(含むセプテーニ)売上高成長率
事業領域別売上総利益
事業領域別売上総利益

売上単純合算

コーポレート基盤の高度化・効率化による成長の加速

2022年1月、DJN各社にコーポレート機能を提供する電通コーポレートワンを新設しました。これによって、人事、財務、法務、監査など、各業務の高度化と効率化は大きく前進しました。同社のサービスを共有するDJNの従業員数は、現時点の35%から、24年に50%以上まで高めていきます。

このようにDJNでは、IGPを目指した事業変革を遂行し、企業と社会の持続的な発展に貢献して参ります。

事業領域別 人財構成比計画
事業領域別 人財構成比計画
共通コーポレート基盤 従業員サポート比率計画
共通コーポレート基盤 従業員サポート比率計画

最高レベルのマーケティング実践環境の整備と人財の育成により、
顧客企業の高いROIの実現を支援します。

電通ジャパンネットワーク 執行役員
(株)電通 執行役員

山口 修治

個人情報保護意識の高まりへの対応と顧客企業の高いマーケティングROI実現を両立させる手段として、DJNは様々なパートナーIT企業とデータクリーンルーム(DCR)の整備に取り組んできました。2016年に開発が始まったDCRは、「購買データに基づくバックキャストプランニングが困難」、「新規顧客の獲得が課題」、「顧客生涯価値(LTV)に基づくマーケティングへの転換が進まない」などお悩みだった多くの顧客企業からご支持をいただき、2021年度は458件のプロジェクトで活用されました。同時に、新規事業の創出や事業構造改革など、DCRの活用領域は広がりも見せています。

DJNでは、最高レベルのマーケティング実践環境の整備を進めるとともに、顧客企業の事業成長と社会の発展に貢献する人財の育成に取り組んでまいります。

顧客企業の持続的な成長を実現する事業創造や
企業変革を推進します。

電通ジャパンネットワーク 執行役員
(株)電通 執行役員

佐野 傑

私たちは、既存事業の変革や新規事業の創造に向けた戦略から実行までをトータルに支援するサービスを提供しています。生活者起点でのデータ・インサイトを最大限活用しつつ、顧客企業の強みを深く理解することにより、持続的な収益を生み出すビジネスモデルの設計から、その先にある生活者の体験設計やマーケティング基盤の変革まで、デジタルの力を最大限に活用して実現していきます。さらに顧客企業の変革や新規事業の創出を、持続的な成長へと繋げるためにも、ビジョン・パーパスの策定から社内変革まで一貫して支援しています。特に重視していることは、顧客企業ごとの課題に合わせた最適なプロジェクトを設計することにより商品やサービスが最適な状態で生活者の中で機能し続けるよう包括的で一貫したマネジメントを提供することです。DJN各社が保有する多種多様な構想力・実現力・ネットワーク力を掛け合わせることで、顧客企業の非連続で持続的な成長を実現する事業創造・企業変革を推進していきます。

クリエイティビティとテクノロジーを駆使し、
唯一無二のカスタマーエクスペリエンスを具現化します。

電通ジャパンネットワーク 執行役員
(株)電通デジタル 副社長執行役員

中津 久美子

企業と生活者の接点やカスタマーエクスペリエンスの在り方は、急速な変化を遂げています。私たちDJNでは、従来から得意としてきたクリエイティブのアイディエーションと最先端テクノロジーのシナジーによって、オンライン・オフラインをシームレスに統合した新たな顧客体験を生み出しています。その基盤となるデータへの造詣も深めてきました。良質な体験が良質なデータを生み、そのデータをもとにカスタマーエクスペリエンスも磨かれていきます。DJNではこのループづくりを重要視しています。

クリエイティビティ・テクノロジー・データそれぞれのスペシャリストが一つのチームを作り、アイデアやプランニングにとどまらず、体験を具現化し世に送り出すことにこだわります。このこだわりを通じて、私たちは顧客企業と生活者の結びつきを強め、マーケティングROIを最大化する体験を創出していきます。

マーケティング領域の強みに、モノづくりや経営管理などの領域の強みを
掛け合わせ、DJNならではのDX事業を展開していきます。

電通ジャパンネットワーク 執行役員
(株)電通国際情報サービス (ISID) 常務執行役員

岩本 浩久

企業の事業活動には、ブランディングやマーケティングなどを通じて価値を訴求し提供する“価値提供”のプロセスと、モノやサービスなどの価値を創り出す“価値創出”のプロセスがあり、企業変革にはその両面でDXが求められます。DJNは、価値提供の領域におけるDXに強みを持つのはもちろんですが、モノづくりや経営管理、金融など価値創出の領域でDXを推進するISIDのような会社がいることも大きな強みです。2つの領域の強みを掛け合わせることで、DJNならではの高い付加価値を生み出し、企業全体のビジネスモデル変革や事業成長、ひいては社会の変革につながるDX事業を展開していきます。この取り組みの一環として、電通、ISID、富士通の戦略的協業により、生活者起点でバリューチェーン全体の変革を実現し、企業の継続的な事業成長とカーボンニュートラルを見据えた環境・社会課題の解決を目指す活動がスタートしています。