ケーススタディ

CASE 1

米国セブン-イレブンで加速するインテグレーション

この2年間で、セブン-イレブンは電通グループの顧客企業の中で最もマーケティングの統合が進んだ企業のひとつとなりました。現在では、電通グループすべてのサービスラインで日米両市場のビジネスをサポートしています。

セブン-イレブン・ジャパンは、何十年にもわたる電通の顧客企業です。そのご縁から、2018年には当社グループの米360iが、セブン-イレブンの創業の地であり現在でも世界最大の市場であるアメリカでのデジタルプロジェクトを受注しました。小規模なデジタル広告とパフォーマンスメディアの案件から始まり、信頼を得るとともにより大きな取り組みをサポートするに至りました。

コロナ禍が小売業界の勢力図を一変させた2020年初め、360iは米国セブン-イレブン(7-Eleven Inc.)に積極的な対応策を提案しました。ブランド力強化に照準を絞ったソーシャルメディア(SNS)戦略とクリエイティブは大成功を収め、その結果、他広告代理店との競合プレゼンを経ずにクリエイティブとメディアにまたがるAOR(指定代理店)として指名されました。

売上をV字回復しブランドを成長させるカギとして、セブン-イレブンに来店する習慣のなかった若い層、すなわちZ世代をターゲットにした、米国市場では10年に一度と言えるほどの大規模な統合キャンペーンを実施しました。「Take It to Eleven」キャンペーンは2021年度の第2四半期にペイドメディアと店頭を含むオウンドメディアの両輪でスタートし、セブン-イレブンが若年層のポップカルチャーシーンに再び登場するきっかけになりました。キャンペーンは、2022年の今でも継続して実施しています。

我々のアナリティクスチームが開発したキャンペーンの効果検証モデルによれば、来店客数、売上、ブランド価値のいずれも大幅にアップしました。

最近では、電通グループのMerkleとdentsu Xが協働して、米国セブン-イレブンの店舗内メディアネットワークの運用をサポートし、現在は数社のベンダーとの間で試験運用中です。今後は、日米以外の市場にも展開し、セブン-イレブンのマーケティング統合を世界的にもサポートするべく、日米のチームが協議を重ねています。

これは、顧客企業とのパートナーシップ、クリエイティビティ、統合、そして成長のストーリーですが、このストーリーにはまだ続きがあります。セブン-イレブンと電通グループは、これからも10点満点を超えた11点(Take It to Eleven)を目指しています。

CASE 2

東京ゲームショウ:TGSVR2021によるメタバース体験創出

コロナ禍がもたらした急速なデジタルシフト、バーチャルイベントの加熱、XR市場の急拡大を背景に、企業と生活者、また生活者同士のコミュニケーションに新しい形が求められています。

日本最大、世界でも最大級のゲームの祭典“TOKYO GAME SHOW 2021 ONLINE(TGS)”において電通グループは、基盤となるITシステムの構築やVR(バーチャルリアリティ)空間の設計、イベントの運営ノウハウをもとに独自のソリューションを開発し、 TGS初のメタバース企画ならではのイベント体験を一気通貫でデザイン。得意とするユーザー視点のクリエイティビティ、構想力・実現力に先端データテクノロジーを加えたことで、20万を超える来場者に対して3D広告、VRコマースなどの新たな体験価値をパートナー企業とともに提供することに成功しました。

VR(バーチャルリアリティ)・AR(オーグメンテッドリアリティ)・MR(ミックスドリアリティ)など、架空と現実を融合させる技術の総称。

CASE 3

人工衛星画像を用いた需給連携の取り組み

旬を迎える多くの野菜が供給過多のため廃棄されています。天候などに影響される供給量、価格は変動も大きく、予測は困難です。

電通グループはJAXAと連携し、人工衛星画像を用いた野菜の出荷量、価格予測の高度化に取り組んでいます。さらに、予測と連動して調味料商材のテレビ広告を投下。需給の連携を行うことで廃棄ロスを軽減し、旬の野菜が家庭で楽しめる仕組みを作っています。

開発と運用は、電通グループの株式会社電通、電通九州、電通国際情報サービス、データアーティストが連携。膨大なデータの処理が必要となる需給の連携には、AI、量子計算を用いて、広告主間でテレビ広告を組み換える新技術「RICH FLOW」を活用しています。