中期経営計画

インテグレーテッド・
グロース・
ソリューション

マーケティングの領域を超え、グループの多様なケイパビリティを統合することで
顧客のトップライン成長を実現

当社グループはインテグレーテッド・グロース・ソリューションを事業戦略の中核に据えています。マーケティングの領域を超えて、グループの多様なケイパビリティを統合することで顧客企業のトップライン成長に貢献します。

当社グループは、従来から持つケイパビリティと新しいケイパビリティを組み合わせることで競争力を高め、収益源を多様化させてきた歴史を持っています。その結果、現在では他に追随を許さないサービスポートフォリオを獲得しています。

マーケティング・コミュニケーション領域にはコンテンツ、メディアアクティベーション&クリエーティブが含まれています。

一方、CT&T領域には、マーケティングテクノロジー、カスタマーエクスペリエンス・マネジメント、システム・インテグレーション、変革・成長戦略の策定が含まれます。

私たちのケイパビリティは、実行型のものから、クライアントに大きな付加価値をもたらす戦略的なものへと徐々に進化してきました。今後社会のデジタル化が加速していくため、当社グループは多様なケイパビリティを持つ世界屈指のイノベーターとして、更に強固な競争優位を築くことができます。これにより2021年は電通グループにとって多くの成長の機会を得る年となるでしょう。

カスタマー・トランスフォーメーション&テクノロジー(CT&T)

早い段階からデジタル化を推進しデータ領域に投資してきたことにより、現在当社グループは成長性の高い領域の専門能力を有しており、有利なポジションにいます。

2020年度の連結売上総利益に占めるデジタル比率は53.9%に達しました。国内事業では34.8%、海外事業では67.5%といずれも過去最高の比率でした。

またCT&T事業は売上総利益の28%を占めています。

CT&T事業の成長は、マークル、ISID、電通デジタルという、業界をリードするケイパビリティを持つ3社によって支えられており、3社の合計売上総利益は過去3年間のCAGRが20%を超えています。データ・アナリティクス・テクノロジーを組み合わせてクライアントニーズに応えるオーダーメイドのソリューションが、このCT&T事業の急成長を後押ししてきました。

今後もこの領域は、非常に大きな可能性を有しています。オーガニック成長と戦略的なM&Aによって、連結売上総利益に占めるCT&T事業の割合を2020年度の28%から将来的には50%に引き上げる計画です。

25年の歴史をもつピープルベースのマーケティングとデータドリブンでテクノロジーを駆使したソリューションにより、事業成長に直結する効果の高い顧客体験を提供。
先進的なITソリューションを提供。社会や企業のデジタルトランスフォーメーションを、確かな技術力と創造力で支援。
金融業、サービス業、流通業など幅広い業種の業務支援に強みを持つ。
デジタルマーケティング全般にわたる統合ソリューションのリーディングカンパニー。コンサルティング、開発・実装、運用・実行支援の統合ソリューションを提供。

卓越したコンシューマーインテリジェンス

当社グループの幅広いケイパビリティを支えているのがコンシューマーインテリジェンスです。当社グループは、広範なデータや分析ツールを幅広く有しているだけでなく、それを駆使してクライアント課題に対応できる人財も揃っています。

メディアプランニングやカスタマージャーニー設計を行う「CCS」や「People Driven Marketing」、3rdパーティデータや1stパーティデータを総合的に分析・運用する「M1」や「Merkury」は、当社グループ独自のツールです。

幅広いパートナー・ネットワーク

また当社グループは、テクノロジー企業やプラットフォーマーとのパートナーシップやアライアンスを世界中で展開し、量的にも質的にも競合他社を凌駕する関係を築いています。グローバルな事業規模を活用し、グーグル、フェイスブック、Zホールディングス、楽天などのプラットフォーマーや、セールスフォース・ドットコム、アドビ、AWSなどのテクノロジー企業のパートナーとしての確かな地位を獲得しています。

こうしたパートナーシップやアライアンスにおいて、当社グループは既に国内事業と海外事業に高度なシナジーを実現しており競争優位性を保有しています。これらのパートナーと連携して開発した独自のソリューションは当社グループと競合他社のサービスを差別化するポイントとなっています。

事業変革に向けた人財開発

顧客ニーズに応えるケイパビリティを強化し続けるためには、従業員一人ひとりの成長が不可欠です。

そこで、従業員の多様性を尊重し継続的な成長を支援するために、グループ全体でキャリアデザインを支援するプログラムと併せて、幅広いトレーニングプログラムを提供しています。そのように、グループ全体で柔軟な人財配置を推進する仕組みを構築するとともに、従業員が能力を最大に発揮できるような環境づくりにも精力的に取り組んでいます。

多様なケイパビリティを持つ従業員同士が組織や地理的制約を超えてチームを作ることができる、そういった企業文化を育てることが、私たちの成長戦略を根底から支えると確信しています。

CASE 1

東京ゲームショウ2020 オンライン アマゾンジャパンとの連携

2020年より電通は、世界三大ゲームイベントの一つである東京ゲームショウ(以下 TGS)に共催会社として参画。2020年はコロナ禍でTGS初のフルオンライン開催となりましたが、Amazon.co.jp上でTGS出展各社の番組をライブ配信+関連商品を即時購入可能という、コンテンツ力の高いライブコマースをアマゾンジャパンと実現。新たなオンラインイベントの形を創出しました。

CASE 2

トヨタ:コニック

顧客企業のマーケティングDXを支援する新しいパートナーシップも始まっています。例えば、モビリティカンパニーとして変革するトヨタ自動車と共同出資したトヨタ:コニックです。組織として顧客企業と融合することで、電通が持つ“人”起点の統合ソリューションがより深くトランスフォーメーションに貢献することが期待されています。