戦略

Japan business 5クリエーティブ・プランニング

第3クリエーティブ・プランニング局長 大内 智重子

第3クリエーティブ・
プランニング局長
大内 智重子

クリエーティビティを発揮すべき領域が急速に拡大

昨今クライアントから電通への依頼は、単なる広告表現の制作に留まらなくなっています。「そもそも何が課題なのか」(課題発見・設定)や「何をするべきか」(事業・商品の構築)といったことや、事業の包括的な支援を必要とするものへと変化しているのです。
こうした中、本質課題の発見から目指すべきゴールの提示、飛躍あるいは転換を加えた新たな価値を生み出すことまで、あらゆる場面で発揮される電通の総合力がクリエーティビティと言えます。私たちクリエーティブ・プランニング部門の重要な役割のひとつは、こうして対象領域が急速に拡大する中でも、電通のケーパビリティを最大限に発揮できるようにしていくことにあります。

「人間」に対する洞察で本質的な課題を発見

課題発見の鍵は、本質的な問題の発見にあります。電通がこの点に長けている理由のひとつは、社員一人ひとりが人間、そして人間の集合である社会に対する洞察力を磨き続けていることにあります。もうひとつは、社員の専門性と多様性にあると私は考えています。

多くの課題は、俯瞰することでその本質が見えてきます。対象が商品であっても、それを事業あるいは企業経営、さらには社会の視点から見るとどのように見えるのか。こうして、レイヤー(層)をどんどん上げて観察することが大変重要です。

この点、電通には単体だけで約7,000人の社員がおり、それぞれの専門領域は非常に多岐にわたります。また、電通にはその能力や人間性においてロールモデルと目される人材が多数いると感じています。これは私たちの大きな強みだと思います。
彼ら、彼女らがチームリーダーとなり、さまざまな得意分野と視点を持った人材でチームを組むことでイノベーティブな価値創造が可能になります。最近は提案型から、クライアントもチームに入っての共創型も増えてきました。

なお、マーケティング分野では昨今、「H型」すなわち自分の専門領域にひとつ軸足があり、さらにもうひとつ得意領域を持つ人材が求められるようになっています。電通においてもここ数年、社員には積極的に複数の部署を経験させる方針をとってきた結果、これまで以上に多様性と能力拡張を担保できるようになってきたと感じています。

責任あるアウトプットを

常にアウトプットをして、世の中に働きかけ続けていく私たちの仕事は、社会に大きな影響を与えるものと自覚しています。ですから、アウトプットの質はもちろんのこと、それが社会課題を解決する、あるいは社会的な責任を全うしうるものとなっているかについても、きちんとレビューしていく必要があり、これもクリエーティブ・プランニング部門の役割だと思います。

世の中の流れや社会的な文脈をきちんと踏まえた上で、クライアントとともに社会に対してどのようなメッセージや商品を出していけるのか。そうしたことを周囲のスタッフに、そして自らに問いかけながら、日々の仕事に取り組んでいます。

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