労働環境の整備

人材育成

電通グループでは、人材を重要な経営資源として捉えています。「人が財産」の電通では、多様な社員の能力を最大限に引き出して、組織の発展に繋げていくために、キャリアの段階や組織の目標などに応じて能力開発の機会を提供し、社員の成長を支援しています。

ダイバーシティ推進

女性活躍推進

電通は女性社員のキャリア形成のための育成・成長支援を積極的に行い、社の戦力を最大化するために、次のようにダイバーシティ推進のための行動計画(計画期間:2015年1月1日〜2019年12月31日)を策定しています。行動計画の着実な遂行とともに、女性が働きやすい環境整備を進め、活躍の場をさらに広げていくよう、一層努めていきます。

行動計画の概要

目標

  1. 新卒採用者(正社員)に占める女性割合を、35%以上とする。
  2. 管理職に占める女性割合を2020 年までに、10%以上とする。

具体的な取組

  1. 女性の積極採用に向けた採用広報施策および選考の実施
  2. 管理職のマネジメント力強化
  3. 女性社員のキャリア意識醸成を目的とした施策の実施
  4. 制度・支援施策の見直しと社員への周知により、仕事と育児・介護の両立に対する不安を払拭
  5. 長時間労働を是正するため、生産性の高い働き方を促す「働き方リデザイン」活動を推進

2013年には「女性活躍推進プロジェクト」を立ち上げ、女性がキャリアを中断せずに活躍し続けられる環境を整えています。諸制度の拡充だけでなく、先輩女性社員を囲んでさまざまな話を聞く「ランチ座談会」の開催や、社外講師を招いての「キャリアセミナー」など、自らのキャリアを早い段階から考えられる場を提供しています。

障がい者雇用の促進

2013年4月に障がい者雇用推進の一環として、100%出資のグループ会社「電通そらり」を設立し、11月には特例子会社として認定されました。2018年6月1日時点で障がい者雇用率は、グループ認定された3社(電通、電通ワークス、電通そらり)で2.14%となっています。営業やクリエーティブ部門で活躍する社員も多く、障がい者の雇用機会拡大に向けて取り組んでいます。

労働環境改革の進捗

電通では、「電通労働環境改革本部」を設置し、労働環境の改善に向けてさまざまな施策に全社を挙げて取り組んでいます。2017年7月、当社は「労働環境改革基本計画」を公表しました。

この改革は「約束」「目標」「挑戦」「ゴール」の4つのステージから構成され、社内の設備・環境から仕事のプロセスに至るまで、多岐にわたる改善・改革の施策を実施しています。社員の心身の健康を経営の根幹に据え、一人ひとりの社員の自己成長を実現しつつ、労働時間の短縮と業務品質の向上の両立を目指しています。2017年の改革の柱は労務管理の徹底と見守りの強化、業務棚卸によるワークダイエット、ワークスタイルのスマート化でした。労務管理、業務プロセス、社内インフラ、オフィス環境、人事・評価制度、健康管理体制など、多岐にわたる改善・改革を実施しています。

これらの改革を通じ、当社の社員の働き方を抜本的に変え、「新しい電通を創る改革」を実行します。
改革の進捗状況については、外部有識者から構成される独立監督委員会に、継続的にモニタリングしていただいています。

労働環境改革基本計画の4つのステージ

労働環境改革基本計画の4つのステージ

労働環境改革の遂行・監督体制

労働環境改革の遂行・監督体制

2017年に企画・実施した主な施策一覧

  1. コンプライアンス関連の意識・知見の拡充
    • 全社員対象の労務関連法規/ハラスメント予防に関する研修/理解度テストの実施
    • 実労働時間削減に向けた三六協定上限の削減・遵守徹底
    • 外部有識者による助言・監督・改善実態の検証のため「労働環境改革に関する独立監督委員会」を設置(2017年2月)
  2. 労務管理の改善・徹底
    • タイムマネジメントダッシュボード導入による勤務実態の可視化
    • 局員の労務管理を専門的に行うHRM 局長補を各局に設置
    • 私事在館の原則禁止
    • 数カ月連続で三六協定上限付近の勤務を行っている社員に対する個別実態調査の実施
    • 午後10時から翌午前5時の全館消灯と同時間帯における持ち帰り残業禁止
    • 新入社員による特別条項の申請不可(法令以上の配慮を行い業務負荷を軽減)
    • 過労死等防止啓発月間に社員参加型の「新しい働き方について考える一日」を実施
  3. 全社を対象とした業務平準化・要員再配置
    • 最適人数配分の算定と社員の適正配置
    • 人材の緊急増員
    • 業務棚卸し・ワークダイエット・アウトソーシングの推進
    • 約400工程のRPA(Robotic Process Automation)化を実現(今後も拡大予定)
    • 評価指標に「法令・社会規範の遵守」と「業務効率性」を導入
    • 協力会社と業務フローの見直しについての協議会を設置
  4. オフィス環境と業務効率の改善
    • ITによる申請関連の電子化・ペーパーレス化による業務効率改善
    • モバイルワークの推進(モバイルPC・スマホ貸与、アプリ充実化)
    • 社員間コミュニケーション活性化のためのオープンな執務スペースの改装
    • 全国20カ所にサテライトオフィスを設置
    • 会議環境(Outlook 予定表、モニター設置、スカイプ参加等)の整備
  5. 社員の健康維持・ケア体制の拡充
    • メンタル相談に常時対応するため、常勤の精神科産業医を配置
    • 社員の心身の健康に関して、家族からの相談も受け付ける「ファミリーライン」の設置
    • 新入社員を対象にした業務相談・キャリア相談・メンタルヘルス相談の体制を拡充
    • 勤務間インターバルの試験導入
    • 有給休暇の取得促進と新しい休暇制度の導入検討
    • 介護・育児施策の拡充
  6. 働き方に関する選択肢の多様化
    • 出退勤時刻に柔軟性を持たせるフレックス勤務適用部署の拡大
    • 在宅勤務制度の試験導入
    • 非マネジメント職の評価軸に、成長やキャリア開発に関する中期的な目標を設定
  7. マネジメント力強化のための評価制度の改定
    • ラインマネジメント職への「360度評価」の導入と適性審査を実施
    • マネジメント職の評価軸を中期的な目標達成重視に改定
    • 部下の育成や適正な業務量管理を評価視点としてより重視
  8. 社員のモチベーションの維持・向上
    • 2017年に前年比で減額となった残業手当は、その全額を賞与として社員に還元
  • コンプライアンス研修

    コンプライアンス研修

  • 22時以降の全館消灯

    22時以降の全館消灯

  • オープンな執務スペースの改装

    オープンな執務スペースの改装

2017年の成果

1人当たり総労働時間100時間以上削減

2017年の社員(管理職を含む)1人当たり総労働時間は、2016年の「2,166時間」から「2,031時間」(前年比135 時間削減)となり、基本計画で示した2017 年目標の2,100時間を下回りました。

三六協定超過者ゼロ

残業時間を法定時間外管理へ移行した2017年1月に三六協定超過者の計上があった他、3月は1名のみで、4月以降は毎月ゼロを継続しています。
1人当たり有給休暇取得率の改善
1人当たり有給休暇取得率は64.0%となり、前年の56.0%から8ポイント改善しています。

業務工程のRPA化で12,000時間創出

2017年末までに約400の業務工程をRPA(Robotic Process Automation)化し、2017年12月には月間で約12,000 時間を創出しました。

労働環境改革関連コスト

当社は労働環境改革のため、2017年に70億円のコストを投入しました。内訳は、300名規模の緊急増員で13億円、社内業務の棚卸しに伴うIT化・RPA化・ICTの導入など業務効率化やアウトソーシングなどの諸施策と労務管理の徹底で40億円、オフィス環境の改善で17億円となります。

2018年は労働環境改革の加速による「将来の成長に向けた基盤整備」を推し進めるため、業務効率化のための諸施策と労務管理の徹底で80億円、オフィス環境の改善に25億円、増員に25億円を見込んでおり、計130億円の投入を予定しています。特に2017年において効果が実感できたIT化・RPA化・ICTの領域はさらに強化していく予定で、社内の業務システムや人材マネジメントシステムの大幅な変更も計画しています。

2018年にスタートした主な3つの施策概要

1.社員が休みやすい環境づくりの一環として、毎月1回の「インプットホリデー」を試験導入

社員一人ひとりが既に持っている有給休暇に加え、毎月1回、全社一斉に休暇を取得する法定外休暇「インプットホリデー」を本年6月より試験導入しています。
この日はコンディションを整えたり、自己啓発に打ち込むなどして、より良いアウトプットのために自分にインプットする日としています。休むことが社員個人にとっても、その家族にとっても、顧客や当社にとってもプラスになる環境の醸成を目指します。
また当社は、今回の試験導入を含めた施策の効果を勘案しながら、引き続き適切な休暇制度のあり方を検討していきます。

2.社員の毎日のコンディションを可視化する「バイタリティノート」の導入

出社してPCにログインすると自動的に表示される質問(1問)に直観的に回答するだけで、その日のコンディションを客観的に知ることのできる「バイタリティノート」を本年4月より一部試験導入した上で、これを7月より全社で導入しています。
「バイタリティノート」は、人生を豊かにする最先端のポジティブ心理学(PERMA)の指標をベースに、当社が独自に開発したシステムです。社員個人は「自身のコンディション」、マネージャーは「組織としてのコンディション」の把握が可能になるため、個人と組織の双方にとって、より健康的な労働環境の実現につなげていくことができます。

3.「ひとりひとりの成長支援」のため、年間100時間以上の学びの機会を提供

当社は、社員の成長こそが会社の成長の源泉であるという考えのもと、これまでも社員の能力やキャリアプランに即した研修プログラムを提供してきましたが、新たな施策として、一人ひとりの成長を支援するプログラム開発を行っています。
これまでにない大胆な発想とスケールで、社員一人当たり「年間100時間以上の学びの機会」を提供するため、さまざまなプログラム開発を行い、10月から徐々にプログラムを増やしながら導入しています。

その他の施策一覧

  • コア業務に集中するための、ノンコア業務の代行CoE(Center of Excellence)サービス
  • 業務プロセスを見える化し、システムで一元管理
  • 在宅勤務/フレックス/インターバル
  • オフィス設備(IT含む)の進化
  • 人事制度の見直し

今後も当社は、これら改革施策の着実な実行により、引き続き法令遵守の徹底および長時間労働の是正を図り、同時に社員の心身の健康を守ることに注力してまいります。

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