海外事業戦略

執行役員 電通イージス・ネットワークCEO ジェリー・ブルマン

執行役員
電通イージス・ネットワークCEO
ジェリー・ブルマン

2018年に創立5周年を迎える
電通イージス・ネットワーク

広告業界における史上最大規模の案件となった2013年3月のイージス・メディアの買収、そして電通イージス・ネットワーク(DAN)創設以来、実に多くのことが達成されました。DANの収益は買収前との比較で3倍に増加し、その57.9%はデジタル領域が稼ぎ出しています。これは業界トップクラスの実績と言えます。従業員数は15,000人から42,000人超と増加し、150以上の買収と投資を通じてケーパビリティと優れた人材の確保にも成功しました。これらは誇るべき実績と言えますが、私たちは過去ではなく、常に未来とそこで得られる機会を見据えています。

2017年はDANのみならず広告業界全体にとっても試練の1年となりました。クライアントの多くがマーケティング費用の一部を節減する厳しい環境の中、私たちは新たな現実に順応し、適切かつ迅速な対応でレジリエントな業績を上げました。
裁量的費用をコントロールしつつ新規の扱いの獲得に注力した結果、DANがネットベースでの新規ビジネス扱いで年間52億ドルという過去最高の獲得から損失を差引いた額を達成したことは満足できる成果です。さらに、我々の5大市場のうちの3つの市場(米国、英国、中国)ではマネジメントを一新し、より強力な布陣としました。モメンタムは年末に向かって勢いを増し、私たちは順風を受けつつ2018年を迎えることができました。

急激に変化する環境の中で複雑性をマネージ

私たちは今、市場構造の変化を目の当たりにしています。2017年を試練の年とした要因の多くは2018年も続き、むしろ勢いを増していくでしょう。広告費支出に関しては初めてGDP成長との相関が薄れ、2018年にはデジタル広告費がテレビ広告費を上回ることが見込まれます。

こうした状況を予見し、私たちはデータケーパビリティーへの投資を続けてきました。現在、DANの競争優位性はデータを通じて得られるインサイトとアドレッサビリティにあり、これらは変化し続ける業界で息の長い成功を収める上で不可欠な要素です。

2018年には主要市場の多くにおいて、私たちのデータ戦略の重要な柱であるグローバルプラットフォーム「M1™」を展開します。これは、メディアプランニングとアクティベーションのすべてをピープルベースドにするという私たちのビジョン実現への第一歩です。

データのプライバシーと保護は、クライアントはもちろん社会全体も重要視している課題であり、DANはデータガバナンスを重要かつ優先的に対応していくべき課題と認識しています。このたび新たに、データ、法務およびコンプライアンスの専門家をデータガバナンス・カウンシル内に配置し、データ保護担当役員およびコンプライアンス・スタッフがデータに関する意思決定に積極的に関わる体制を構築しました。これにより、責任をもって、公正かつ倫理的にこの課題に対処し続けていきます。

2018年の戦略的優先事項

DANは以下の戦略的優先事項に集中することで、事業全体のモメンタムと成長を促進します。

  1. 利益率と成長性の高い市場で収益を伸長
  2. データおよびピープルベースド・マーケティングでの差別化を促進
  3. メディアとコンテンツを活用し、より大規模な投資機会を創出
  4. 顧客のニーズに応える統合ソリューションを強化
  5. 業務全体の効率を最大化
  6. ケーパビリティ向上のため、引き続き市場変革の機会を探索

変化の激しい環境の中で成長と投資にフォーカス

DANの成長を支えているのは、「協働」「機敏」「先駆」「責任」そして「熱意」という価値観から成る企業文化です。この文化を継承し続けることは、より迅速な行動を、そして地域/グローバルブランド間での協力関係の強化を可能にします。私達は今後、ネットワーク・ブランドをより連携させた統合ソリューションの提案を具体化していく予定です。

2018年、DANはよりプロアクティブに変革へと取り組みます。共通のグローバルシステムとプラットフォームの導入を進めつつ、ビジネスへの投資と変革を継続することで、事業全体の効率性が向上します。長期にわたる持続的成長を実現するため、事業への投資も継続します。キャッシュ創出力の高い私たちのバランスシートは、DANの競争力の源なのです。

2017年には多くの課題に直面しましたが、DANは2020年までに50億ポンドの収益を達成することを目標に、混乱の嵐をも飲み込んで、より強くより成功した、そしてクライアントにとって一層価値の高い存在へと成長していきます。
強固なネットワークとユニークな事業運営方法はDANの強みです。「革新的な方法でブランドを構築する」というビジョン、デジタルに関わるビジネスの割合を2020年までに100%にする。という私たちの戦略はいずれもユニークなものです。DANはデジタルエコノミーが生み出す混乱を受け入れつつ、そこに生まれる機会を的確に捉え、機敏に対応していきます。

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