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CEOメッセージ

新しいグループ経営の体制によって
価値創造モデルをさらに進化させていきます

代表取締役 社長執行役員

山本 敏博

果たすべき使命を遂行できるように事業変革を加速させていく

新型コロナウイルス感染症による一連の危機によって、社会、企業、そして生活者すべてがこれまでの常識について再考することを余儀なくされました。私たちが共に仕事をさせていただいている多くのクライアント、そしてパートナーの皆さんにとっても、商品やサービス、顧客体験、生活者とのタッチポイントなど、あらゆる面で“withコロナ”と“afterコロナ”の社会を見据えた変革ニーズが高まっています。

こうした極めて困難かつ不確実な社会で電通グループが果たすべき使命を少しでも早く、少しでも効果的に遂行できるように、かねてより進めていた事業変革を加速いたします。この変革の核となるのは、電通グループの価値創造の進化です。近年、恒常的なイノベーションが必須だといわれ続けてきましたが、これからの時代に求められるイノベーションは今までとはレベルの違うものになります。現在のような状況はまさに電通グループがその真価を発揮し、新しい価値創造の形を実現していく機会に満ちていると私たちは考えています。

2020 年は、グループが大きく成長していくためのスタートの年となります。電通グループの価値創造の本質は、多様なものを統合して固有のソリューションを実現していくことにあります。私たちのこのDNAをもとに価値創造力を大きく進化させるため、2020 年1月に純粋持株会社体制に移行しました。これによってグループ構造をよりフラットにし、グループ各社の多様性もより発揮できるようになりました。さらに、新しい体制では「Open Teaming」という考え方のもと、クリエイティビティ、イノベーション、コラボレーションをボーダーレスに発展させるオープンな組織を実現していきます。

この新しい体制によって事業効率と革新を両立させる資源配分や事業ポートフォリオ管理、事業を支えるCSR・ガバナンス・リスクマネジメントを進化させ、持続的な成長を確保します。

価値創造モデル
価値創造モデル

多様なリソースを統合し、多様なステークホルダーをつないでいく

グループの事業変革においては、電通グループの価値創造力を2つの形で進化させていきます。

ひとつはグループ内外のリソースのさらなる多様化を図るとともに、それをより高度に統合し、今まで以上にお客様の成長に貢献するソリューションを提供していくことです。すべての市場で成熟化が進展する中で、多くの企業にとって成長することは大きなチャレンジです。このような時代においてお客様の成長に貢献するためには、マーケティング・コミュニケーションの領域を超えた幅広いソリューション力が必要となります。メディア、クリエイティブ、データ&アナリティクス、システムインテグレーション、スポーツ、エンターテインメントといった当社の多様なアセットを統合し、マーケティング・コミュニケーションの領域を超えて、顧客のマーケティング全体、そしてさらには事業そのものの変革と成長を支援するIntegrated Growth Solutionを提供していきます。この新しい統合成長ソリューションを実現していくには、グループ内のシナジーが大きな鍵です。そのために、電通グループは「Open Teaming」という考えのもとコラボレーションをしていきます。この「Open Teaming」の実現において鍵となるのが「Teaming Platform」の整備・推進です。この基盤によって人材やノウハウ、ケース、サービスの流動性を強化し、個々のプロジェクトにおける多様性の統合による価値を創造するだけでなく、継続的に新しい知識と能力を持った人材を生み出すグループとなっていきます。

もうひとつの進化は、多様なステークホルダーをつなぎ、新しい価値を創出していくことです。これからの時代、お客様の持続的な成長を支援していくには、お客様の事業を個別に捉えているだけでは不十分です。お客様を取り巻くさまざまなステークホルダーを俯瞰的に捉え、お客様とステークホルダーの双方が成長するソリューションを見出していかなければなりません。多くのお客様の経営アジェンダにおいて、持続可能な社会の実現への貢献の重要性が急速に高まる中で、電通グループはお客様の成長と持続可能社会を両立させるソリューションの実現に力を注いでいきます。国連の持続可能な開発目標(SDGs)では、さまざまな目標が掲げられていますが、そのひとつの「パートナーシップで目標を達成しよう(Goal17)」では、社会の持続的な成長に貢献するには複数のステークホルダーとのパートナーシップが極めて重要であると提言しています。電通グループは、創業以来、広告主とメディア、スポンサーとスポーツ団体、マーケターとコンテンツなど多様なステークホルダーとお客様を繋げることによって価値を創造してきました。この価値創造の方法は社会の成長への貢献を力強く支えるコンピタンスとなり、お客様に今まで以上の価値を提供していくための基盤となります。

価値創造の進化のためにESGをさらに強化していく

電通グループは、新しいグループ経営の体制によってこの価値創造モデルをさらに進化させていきます。グループ化による多様性の拡張と「Open Teaming」というコンセプトのもと、個社の壁を超えたコラボレーション、さらにグループ化によってステークホルダーの多様性を広げ、それをお客様とつなげていく──この他に類を見ない価値創造を電通グループが実現していくためには、基盤としてESGも大きく進化しなければなりません。

事業を通じて、環境や社会に貢献していくとともに、CSRも進化させていきます。グループ各社からのメンバーによるCSR 委員会のもとに、個社ごとに取り組んでいたCSRを連携させ、明確な戦略のもとにグループとしてのCSRを大きく高めます。また、さまざまなグローバル・リスクに対応した新しい社会のあり方の実現には、電通グループのクリエイティビティ、イノベーション、そしてプロデュース力が大きく貢献できると考えます。非常に難しい時代を迎えますが、だからこそ電通グループにできるCSRには大きな意義があるという信念のもと、さらにグループのCSRの強化を図ります。

また、多様性を包含したグループを統合し、多様なステークホルダーをつなげて事業を展開していくには、これまで以上にガバナンスが重要になってきます。事業を大きく進化させつつ、お客様、パートナー、そして社会からのより高い信頼を得られることを目指して、新しいグループの形にふさわしいガバナンス体制を整備していきます。また、145以上の国と地域に1, 000 社を超える企業集団を展開し、6万6千人強の社員を有するグローバル・グループが独自のカルチャーで繋がり、オープンに、そして透明性を持ってステークホルダーに信頼されることを目指します。そのためには、ガバナンスとともに、社員の意識と行動が極めて重要です。電通グループで働く一人ひとりが、新しい価値を創出し、お客様や社会に貢献する喜びを得ている。このようなグループを実現していきます。

電通グループは、持続可能な社会成長の実現に向けて、お客様、そして社会とともに歩み続けます。そのために、新しい価値創造モデルをもとにしたグループとしての事業変革、そしてグループのCSRとガバナンスの進化を進めてまいります。なにとぞ、ご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

真のグローバル展開
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