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海外事業
(電通イージス・ネットワーク)

Our Vision

電通イージス・ネットワーク
(DAN)
取締役会議長/CEO

ティモシー・アンドレー

2019年変革の年

2019年は変革の年でした。DAN取締役会議長および電通副社長執行役員に加え、2019年1月にDANのCEOに任ぜられました。おかげで、これまで以上に顧客にも社員にも寄り添うことができました。

そうした変革の目的は、収益性を高め、持続的な成長を促進し、DANのケイパビリティを質・量共に充実させることにより、顧客を起点とした世界クラスのソリューションを提供することでした。

こうして、自分たちを再評価し、変化へのプランを練り上げる1年が始まりました。

顧客のために実現する

顧客により良いサービスを提供し、社員の業務環境の質をさらに上げるためにも、組織的な変革が必要でした。そこで、事業をクリエイティブ、メディア、CRMの3つに再編することで、今まで以上に社員が専心して、この分野での高いレベルのサービス提供や統合的なソリューションを顧客に提供できるようにしました。

また、新しい組織は顧客ニーズを中心に編成しました。これによりデータやテクノロジー、またアイデアを活用しながら、カスタマーの獲得・維持・拡大のいずれにおいても、顧客に貢献できるわかりやすいサービスを世界中のどの拠点でも同じように提供できるようにしました。

ケイパビリティを拡大する

私たちはまた、組織運営における重複や複雑さ、コストを減らすために、最高のテクノロジーに支えられたグローバルで一貫した効率的な組織・環境づくりに投資をしました。そして、引き続きM&Aを戦略的に重視し、データ・アナリティクスの世界的トップ企業であるUgamなど13の企業を傘下に収めました。今後は、成長性の高いマーケットとデジタル・クリエイティブ、データ、CRM、ロイヤルティーなど、相乗効果と文化的アラインメントが見込めるセグメントに注力していきたいと考えています。

社員やコミュニティーのために実現する

社員は最も重要な資産であり、彼らを要としたビジネスであり続けることが何より優先されるべきと考えています。全員が共通の目的に向かって進むことなしに、変革は成功できません。

共通の社会的目標を持つのも重要です。コミュニティーと関わり、社会に貢献することでこそ、社会の中で自分たちが果たすべき役割をまっとうできるはずです。そこで私たちはNGO・Malaria NO MOREとのキャンペーンを通じて、世界中から140億ドルを調達することに貢献できました。また、電通の持つスキルや専門知識を活かして「Isobar Good」を立ち上げました。さらに、顧客と協働し、持続可能な生活をマーケティングの力でより魅力的に提案する「#Brands for Good」も開始しています。

さらに、環境への取り組みも過去最高水準の成果を収め、今や世界中の拠点の90%で再生可能エネルギーが利用されています。

「one dentsu」への旅

2019年は、顧客に世界水準のサービスを提供し、統合された組織を目指す旅において、非常に大きな一歩となった年でした。日本の組織の持てる力を最大限に活用し協力することで、この先もあらゆるステークホルダーに持続的な成長を提供していきたいと思います。

Performance

国内/海外売上総利益構成比
海外事業 売上総利益
海外事業 調整後営業利益/OPM
※OPM:オペレーティング・マージン

よりシンプルな事業構造に

私たちは顧客の要求が変化し、従来の代理店モデルが目的に合わなくなったことを長期戦略のなかで認識しています。このため、私たちのビジネスモデルを、統合ソリューションと世界クラスのサービスを提供すべく進化させる必要があり、また、中期的なマージン向上と長期的に持続可能な成長に向けてギアをシフトしなければなりません。

私たちの新しいビジネスモデルは顧客を中心に設計されており、アイデア主導、データドリブン、テクノロジー対応によって、顧客の最高の顧客を獲得、維持、成長させるといったカスタマーライフサイクルの全てを視野に入れています。これによりサービスがわかりやすくなるとともに、顧客にグローバルで一貫した統合ソリューションを提供する能力が向上します。そしてこれが今度は長期的に持続可能な成長と中期のオペレーティング・マージン改善を促していくのです。

いま私たちは世界3リージョンにわたって、クリエイティブ、メディア、CRMという3つのラインオブビジネス(Line of Business(LoB))にサービスラインを編成しています。

事業領域の概略図

DAN CRM 
グローバルCEO兼
Merkle Group Inc. 会長

ディビッド・ ウィリアムズ

今日、成功しているブランドは、セールス、サービス、マーケティングの全体にわたって優れた顧客体験により構築されています。この「コネクテッドな顧客体験」は、高度なパーソナライゼーション、データによる付加情報、テクノロジーの活用により進化しています。

CRM LoBの事業機会は、世界最高のブランド構築を促進するデータドリブン戦略の開発において、顧客価値の最大化、ロイヤルティーの醸成、最終的に競争優位をもたらすための高度にパーソナライズされた顧客体験を提供することにあります。CRM LoBは急成長しているLoBであり、過去4年間で収益が2倍になりました。CRM LoBの組織構造は、DAN最大のエージェンシーブランドであるMerkle社によって支えられた、サービスライン軸と業種軸で構成されるマトリックス型の構造になっています。熟練したPeople Based Marketingの専門家は、顧客ニーズ、市場課題、競争優位を獲得するために必要なソリューションを理解しています。

Merkleは、Americas、EMEAおよびAPACにまたがる地域に展開し、近い将来、カナダとラテンアメリカへの拡張を計画しています。グローバルな顧客は、私たちが活動する全ての地域における市場ニーズと規制要件への深い知識を私たちに期待しています。

CRMやデータサイエンス等と組み合わされた1stパーティデータという私たちの強みが、進化する競争環境で差別化をもたらしました。3rdパーティCookieの崩壊とプライバシーへの懸念の高まりによって市場が混乱したにも拘わらず、一貫して2桁の成長をしました。現在のデジタルトランスフォーメーションを実現する勢力との競争を超えて、我々は「データ+デジタルトランスフォーメーション=顧客エクスペリエンストランスフォーメーション」という新たな領域に挑戦していきます。

また、Google、Adobe、Salesforce、Oracleなどのパートナーとの提携が、私たちのサービスに価値を加えます。提携により企業向けテクノロジーやクラウドサービスを活用することができ、それによりブランドの総合的な顧客体験を実現しています。

CRM LoBのGo-to-market戦略は、主に4つのカテゴリーにおいて行われています。

  • 顧客体験の有効化–テクノロジー活用に関する深い専門性を支えとしたデータ管理とIDに基づく強力なテクノロジー。
  • 顧客体験のアクティベーション–データを活用し、各分野における世界クラスの技術ブランドにより実装されるパフォーマンスメディアとクリエイティブソリューション。
  • 分析–フレームワークの有効化側とアクティブ化側の両方に実装され、これらのテクノロジープラットフォームを通じて分析を提供、対象を絞った洞察と測定値を導き出します。
  • コンサルティングと戦略–変革とテクノロジーのコンサルティングにより、顧客体験を可能にするプログラムレベルの戦略を開発し、成功に向けてどう組織化するのかをブランドが理解するのに役立ちます。

今後も、このLoBは顧客体験変革に関わる新しい機能を開発し、市場のリーダーとなり、収益拡大、コスト削減、株式価値などの事業成長を臨むCEOや“C-suite”のパートナーであることを目指します。

DANクリエイティブ
グローバルCEO兼Isobar会長

ジーン・リン

私たちの使命は、イノベーションとテクノロジーを柱に、世界に通用するクリエイティブとブランド経験を提供することであり、広告を超えて、顧客のビジネスを差別化し、持続可能な顧客の成長を促します。

クリエイティブLoBは、電通マクギャリー・ボウエンとIsobarを含む、日本国外のブランディング、コンテンツ、デザイン、エクスペリエンス機能を統合します。そして12,000人以上の志を同じくする人々を結び付け、世界で50超のマーケットで、顧客にブランドエクスペリエンスの変革をもたらします。

マーケティングの役割とブランドの構築方法は、新しいテクノロジーや人々の行動変化によって根本的に変化しました。企業は、これまで以上に信頼性で差別化する必要があり、消費者はすべての企業との接点で信頼性ある一貫した企業行動を求めています。

クリエイティブとは、北極星のように目指す場所と信念をよりどころに点と点をつなぎ、顧客接点と変革の取り組みにおいて意味のある統合的なソリューションを実現することです。

今日のクリエイティブとは、広告とコミュニケーションを超えて、アイデア主導のブランド経験を提供することです。言い換えれば、競争優位を生み出しビジネスを未来へと推進するアイデア、そして習慣や行動を変え、エンゲージメントを可能にし、信頼を高める体験です。

私たちは、電通マクギャリー・ボウエンの戦略的ブランディング、Isobarのデジタルマーケティングの専門知識を活用して効果的なチームをつくり、カスタマージャーニー全体にわたって大規模なクリエイティブ経験を提供します。

DANは、さまざまな文化や国から来た仲間を受け入れ、尊重しながら、最もクリエイティブな思考を持ち、創造し、イノベーションを起こし、テクノロジーを活用する人々の集まりだと思います。この多様な人材と専門性こそが、よりイノベーティブな思考とよりクリエイティブな方法での広範な課題解決能力を生み出し、世界中のクライアントが経験経済で勝利するべくチームを組んで支援しているのです。

DANメディア&
グローバルクライアント
グローバルCEO

ピーター・ハイブーン

メディアLoBでは、最も多額のマーケティング投資となるメディアの効果や、妥当性あるいはパフォーマンスを最大化するさまざまなケイパビリティを、受賞歴もあるエージェンシーである、Carat、Vizeum、dentsu X、世界的に認められたデジタルパフォーマンスエージェンシーであるiProspect、そしてOOHエージェンシーのPosterscopeを通じてクライアントに提供・支援しています。

2019年、グローバルマーケターとの関係を拡大した結果、当社は最も信頼できるグローバルエージェンシーランキングのいくつかで最高位をとりました。このようなことを達成できたのは、クライアントの収益最大化を目指しながら、クライアントに寄り添い、かつてないほど複雑化するメディアやデータ、顧客の権利擁護、プライバシーの問題に対応してきた結果です。

さらに、自社の経営においては主要なテクノロジーと投資機能を一元化し、統合されたブランドポートフォリオ戦略を構築することで、コスト管理を自動化、代理店の運営を進化させています。

これらの取り組みは、ブランディングとビジネスパフォーマンス、メディアとCRM、コンテンツを統合したソリューションに対する顧客ニーズに沿うものです。メディアとパフォーマンスに強い会社を統合的に組み込むことで、顧客が素早く広告支出を再配分し、長期的なブランド価値とより即時のビジネス結果の両方を生み出すことを可能としました。

メディアLoBの設立により、各社間で成功事例やケイパビリティを共有し活用できるようになりました。各社が力を合わせ、成功事例と人材をより迅速に活用することで、影響力のあるメディア開発を行います。同様に、メディアリレーションを活用し、より効果的で革新的なソリューションを創り出します。

2020年はマーケティングやメディア予算がパンデミックの圧力にさらされていますが、私たちはしっかりと顧客に寄り添い顧客の変革をサポートしてまいります。また新型コロナウイルス感染症は、5年以上にわたって私たちが戦略的に対応してきたデジタル化をさまざまな面で加速させています。メディアの価値と影響を再定義し、共有体験を通じてコミュニティー、文化、人々を結び付ける真の機会があると信じています。これがまさに電通グループが100年以上にわたって礎としてきた使命なのです。