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対談

New Normalにおける変革をリードする

電通執行役員・鈴木禎久、電通イージス・ネットワークAmericas CEO・ジャッキー・ケリーが、このかつてない環境における電通グループの課題、機会、ビジョン、取り組みについて対談を行いました。

電通イージス・ネットワーク Americas CEO ジャッキー・ケリーと、株式会社電通 執行役員 鈴木禎久

Profile

電通イージス・ネットワーク(DAN) Americas CEO

ジャッキー・ケリー

25年以上にわたって広告およびメディア業界で認められ、称賛されているリーダー。2019年にDAN USの最高顧客責任者としてDANに参加、本年1月にDAN AmericasのCEOに任命される。Ad Council、FreshPet、Comic Relief USAの理事会に参加、United Way of New York CityのPower of Women to Make a Difference賞を受賞したほか、Business Insiderの「広告で最も強力な30人の女性」リストの1位に選ばれる。

(株)電通 執行役員

鈴木 禎久

1990年電通入社。マーケティング局、ビジネスクリエーション局、プロモーション局など多数の事業部門をリードし、電通グループの多数のマーケティングメソッドを結集、進化させる統合フレームワーク「People Driven Marketing」を強力に推進する。2017年より電通デジタル社長、2020年1月より(株)電通 執行役員に着任し、電通のデジタルトランスフォーメーション戦略を精力的に担う。

“afterコロナ”のNew Normalに向けての展望

  • ケリー

    パンデミックによって引き起こされた経済的そして社会的な激動は、我々の生活に未曾有の衝撃を及ぼしました。しかし、私は常に前向きに物事を捉えることを信念としています。このような悲劇的な状況において希望を語るのは難しいのですが、この災害を経て我々は組織としてより強く、そしてリーダーとしても、個人一人ひとりとしてもより思いやりを持てるようになると信じています。

  • 鈴木

    全く同感です。この災害をビジネスの本質的な構造変革を起こすためのきっかけとして捉えるべきだと思っています。オンラインとリアルをうまく活用した働き方、消費、体験を実現し、満足度と効率性の双方を高めるようなビジネス構造の変革をリードしていくのが我々の役割です。そうすることがお客様、その先の顧客も、そして社会全体にとってもよいことであり、それがNew Normalの価値創出であると考えています。

電通グループの強み:グループの多様性と統合力

  • 鈴木

    電通とは何か、それは新しいチャレンジを実現できるパートナーであると思っています。一見無理なことでも、電通に相談するとそれが達成できるという定評を支えているのは、専門性と多様性です。リアルとデジタル、精緻な分析と卓越したクリエイティビティ、それを統合して昇華させるプロデュース能力、そして最後までやりきる力が電通の強みです。コロナ禍ですべてが再スタート状況では、この強みがお客様に大きく貢献できると考えます。

  • ケリー

    アメリカでは、世界で起きた健康と経済の危機に加え社会的、政治的事件が起き、さらに大きなチャレンジとなりました。このような状況においても、電通グループは真のグローバル企業として社員のダイバーシティーとインクルージョンを信条とし、恒常的な自己評価と改善を進めることでこのチャレンジを乗り越えようとしています。この機会に改めて社員、そして顧客、社会へのコミットメントを高め、より透明性を持って大胆に我々と帰属するコミュニティーの価値観を反映した職場と働き方を実現していきます。これにより、アイディアを起点とし、テクノロジーを装備し、データで駆動されるグローバルなブランドのトランスフォーメーションを実行し、イノベーションを通じて持続的成長を促進します。

マーケティングのデジタルトランスフォーメーションをリードする

  • ケリー

    過去のテクノロジーとビジネスにおける躍進の多くがそうであったように、大きな革新は、転換点となる事象に起因して極めて短期間の爆発的な変化によって起こります。この変化の期間において我々は包括的な戦略に基づき、クリエイティブ、メディア、CRMを跨ぐ統合ソリューション、オンライン・オフラインを統合する顧客体験、クッキーレス時代に向けたアイデンティティプラットフォーム、強力なパートナーとの提携、そして社会的意義を持ち、データに基づき一人ひとりにコミュニケーションするクリエイティブで、お客様の事業変革を加速させます。

  • 鈴木

    電通は、マーケティングは人をベースとするべきだと考えます。人への洞察力、人の気持ちや行動を誘うクリエイティビティ、そしてマーケティング投資を最適化できるアルゴリズムを活用したデータドリブンマーケティングを構築します。お客様の今の顧客、そして未来の顧客を知ることは、お客様のマーケティングROIを高めるとともに、お客様の顧客にとっても、自分に合った、必要とする情報が得られ、お客様とその顧客の間の関係性を高めることにもつながります。来たる5G時代では、さらに正確なデータで顧客を把握し、より良いコミュニケーションを構築していくことが実現できるようになり、これまでのマーコムがとても古く見えるほど、お客様との新しい関係を構築していくことができると考えます。

  • ケリー

    エージェンシーグループとしての我々の役割は、お客様の事業が長期的・持続的に成長することに貢献することに、さらに集中していきます。これからの時代、企業は個別での成長ではなく、繋がった社会の一員として、包含的なパートナーシップ、業界連携、そして公共セクターとのJVなどを介しての成功を目指していくべきです。現在展開しているお客様の成長のための統合ソリューションに加え、企業価値を高めると同時に社会の未充足ニーズを満たすような統合ソリューションを実現していかなければなりません。お客様の事業が置かれている社会とコミュニティーを中心に据えて考えることにより、お客様のブランドがさらに意義を持って文化と関わることを支援できるようになると信じています。

グローバル・コラボレーションの力

  • ケリー

    この悲劇的な世界的危機の中で米州は甚大な被害を受けましたが、グローバルネットワークの強みを活かして、災害が先行したAPAC、EMEA等の地域の経験から学ぶことができました。この未曾有の状況において過去のマーケティングの定石が全く無意味となる中で、このことはかけがえの無い価値を発揮しました。お客様の秘匿性に配慮しながらも、世界中でさまざまなお客様との仕事の経験を共有し、お客様が一歩先を行けるように貢献できるのです。また、スポーツ・エンターテインメントなど電通が過去から世界的に先を行っている領域で地域をまたいでコラボレーションしていくことで、差別化を図ることにも大きな可能性を感じています。

  • 鈴木

    常に世界のどこかで同じ課題が共有されています。特にコロナ禍では、それが顕著になっています。社会を、そして地球をより良くしていくために、クライアントはゼロから再スタートを切っています。グローバルで繋がる時代では、デファクト・スタンダードを先につくり、より多くのお客様に利用してもらい実践知識をベースに改善していくスピードがマーケティングそのものです。電通グループはグローバルで起こっていること、悩んでいること、解決できること、そして、そのノウハウを共有し、常にグローバル規模での課題解決の先頭を走り続けます。