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コーポレートガバナンス

電通グループのコーポレートガバナンス2020年3月27日現在

基本的な考え方

当社の目指す新たな社会的価値の創造や、持続可能な社会の実現のためには、最良のコーポレートガバナンスを追求することが重要であり、意思決定の透明性・公正性の確保、経営資源の有効な活用ならびに迅速・果断な意思決定を通じて、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図ります。そのために、以下の基本方針に則って、コーポレートガバナンスの充実に取り組みます。

  1. 株主の権利を尊重し、平等性を確保する
  2. ステークホルダーの利益を考慮し、適切に協働する
  3. 会社情報を適切に開示し、透明性を確保する
  4. 取締役会による業務執行に対する監督機能の実効性を向上させる
  5. 中長期的な株主の利益と合致する投資方針を有する株主との間で建設的な対話を行う
コーポレートガバナンス体制
コーポレートガバナンス関連情報
取締役のスキルマトリックス

ガバナンスの実効性向上に向けた取り組み2020年3月27日現在

取締役会の実効性に関する自己評価

当社は、取締役会の実効性を継続的に高めるために、取締役会による経営の監督の実効性および適正性について、取締役全員に対してアンケートを行い、第三者機関による分析および評価を実施しました。取締役会は、その結果について取締役会事務局から報告を受けた上で、取締役会全体の実効性について分析・評価を行いました。

2019年度の評価によると、取締役会の構成、運営、審議内容等は、概ね適切であり、活発な意見交換等を通じ、十分な審議が行われており、取締役会による経営の監督の実効性および適正性は確保されていることが確認されました。今後は抽出された課題の改善を図ることにより、取締役会の一層の向上に努めてまいります。

2019年度調査における主な課題と改善策

CEO後継者
育成計画
指名・報酬諮問委員会の方針および具体案策定を実施。
グループ会社の
管理監督
モニタリング体制の見直しを継続。
戦略の審議に
必要な情報提供
社外取締役を中心とした会合を設置し、マーケット情報、業界動向等の情報を提供。

取締役に対するトレーニング

役割・責務を適切に果たせるよう、執行役員および取締役に対する職務執行上不可欠な知識の習得と継続的な研鑽機会の提供を行います。

トレーニングの具体例

対象とする役員 就任時 就任後
取締役・執行役員
  • 当社の経営・事業・財務等の戦略や関連する重要事項や法令等についての研修
  • 当社グループの課題の特定と解決策に関するディスカッション
  • 定期的に役員勉強会を実施し、メガトレンドにおける課題に対するベストプラクティス等の最新の情報を得る機会を設定
社外取締役
  • 当社の事業内容、組織体制等の説明
  • 定期的に事業課題等について情報提供

内部統制システム

当社の内部統制システムは、取締役、執行役員および従業員が自らを律し、当社が社会的責任を全うし、成長していくための体制です。当社および子会社の取締役、執行役員および従業員の職務の執行が、法令および定款に適合し、業務が適正に行われることを確保するために順守すべき共通行動規範として
電通グループ行動憲章」を位置づけ、内部統制・コンプライアンス委員会が内部統制システムの維持・向上を図っています。内部統制・リスク委員会の方針を受け、当社およびグループ各社が規則制定やマニュアル整備を行い、全社員に適正な業務執行を周知徹底しています。業務執行の際は「リスク管理」「コンプライアンス」関連のチェック項目を設け、ルールの適正性、ルールに沿った業務執行、問題発生時の速やかな報告・対応など、さまざまな観点から点検を行い、課題の発見・改善を実行しています。また、電通グループ全体として企業価値の維持・向上を図るため、内部統制の仕組みをグループ会社にも展開しています。

新任取締役メッセージ

取締役・監査等委員

大越 いづみ

2020年1月に持株会社制に移行した電通グループは、電通をはじめとする事業会社から分離し、「Teaming Company」としてグローバルレベルでのビジネスモデル革新の戦略、成長を加速させる投資戦略、それを実現する適切な資源・資産管理を行う基盤となります。取締役会および監査等委員会は、グループおよび電通ジャパンネットワーク・DANによる業務執行の適切性の監査監督体制を整え、コーポレートガバナンスの一層の向上を目指します。その中での私の役割として、新規事業の経営戦略などの経験をもとにした経営視点での監査や助言などが期待されていると考えています。

世界中を襲った新型コロナウイルス感染症によって、私たちは全く経験のない危機に直面しました。あらゆる変化に耐えうるレジリエンスを持ち、変革や飛躍の好機と捉えた果敢な攻めの経営を行いながら、社会に貢献する持続的成長を果たすことがあらためて求められています。不確実性が高まる環境下において、コーポレートガバナンスの原則に基づいた機動的な経営と迅速な意思決定が行われるよう、コンプライアンス・リスクマネジメント・資本の健全性など多角的な視点から監査・監督し、その責任を果たしてまいります。

取締役

ニック・プライデイ

電通グループに入社して7年、業界・会社とも急速な変革を遂げているタイミングでグループの取締役に任ぜられたことを、非常に光栄に思います。

電通グループが持つ多様な力の統合が進むなか、グループ内のさまざまな組織で培った幅広い経験をグループの将来を形づくる上で役立てられればと考えています。私は、買収前のイージス・グループで4年間、その後、電通の海外事業を統括する電通イージス・ネットワークで7年間、CFOを務めてきました。現在は電通グループのグループ経営会議とCSR委員会のメンバーであり、電通イージス・ネットワークでも取締役会やM&A委員会などの経営機関に名を連ねています。

今後は、最高のサービスやソリューションをクライアントに提供することに専念できる組織づくりに力を入れていきたいと考えています。「one dentsu」のコンセプトのもと、国内外の事業をこれまで以上に連携することによって、クライアントと電通グループが長期的に成功を収めていけるはずです。

株主をはじめとする全ステークホルダーの皆様に価値を提供していくことを重視しながら、今後、電通グループの取締役として全力を尽くす所存です。

取締役会の透明性向上に向けた取り組み2020年3月27日現在

取締役の選任・解任

当社では、監査等委員でない取締役の指名の手続きにあたり、代表取締役が候補者案を策定後、透明性確保の観点から、独立社外取締役に対して選任の理由、適正性等に関する説明を行い、その意見を踏まえて、取締役会にて候補者を決定します。また、監査等委員である取締役の指名の手続きについては、代表取締役が候補者案策定後、監査等委員会の同意を得た上で、取締役会にて候補者を決定します。

役員報酬制度

当社は、各事業年度に外部専門機関による報酬市場調査データを参考に、企業価値・規模および報酬水準等を総合的に勘案し、適切な役員報酬額を決定しています。2019年3月、第170回定時株主総会での承認に基づき、中長期賞与として業績連動型株式報酬制度を導入しました。本制度は、役員の報酬と業績および企業価値との連動性をより明確にし、ステークホルダーの皆様との利害共有を促進することで、当社グルーブの持続的成長と中長期的な企業価値の向上に貢献する役員の意識を高めることを目的としています。

取締役類型別に適用される役員報酬項目

取締役類型 基本年俸 年次賞与 中長期賞与
監査等委員でない社内取締役
監査等委員でない社外取締役
監査等委員である社内取締役
監査等委員である社外取締役

執行役員兼務者を示す。

報酬の割合

政策保有株式の保有方針

当社が保有する政策保有株式について、取得価額に対する当社の目標資本コストに比べて配当金・関連利益などの関連収益が上回っているか、株式の保有が投資先との取引関係の維持・強化や共同事業の推進に寄与するか等の観点から、保有する意義が乏しいと判断される株式については、売却を進める等縮減を図ることを基本方針としています。かかる基本方針に基づき、毎年取締役会において、保有する政策保有株式の全銘柄を対象として、個別銘柄ごとに、中長期的な視点に立って、保有目的、経済合理性等を精査し、保有の適否を検証しています。

社外取締役メッセージ

取締役・監査等委員(社外)

勝 悦子

2020年1月1日、株式会社電通は純粋持株会社の株式会社電通グループへと変貌し、取締役会メンバーもDANの取締役が増え、海外との情報の非対称性が少なからず解消されると同時に、多様性もさらに増しました。今や世界145以上の国と地域で6万6千人の社員を擁する電通グループは、グループ経営における実効的なガバナンスの実現、グループガバナンス・システムの構築が最も重要な課題のひとつとなっています。「Teaming Company」の名のもとで、グループ法人の事業や財務のシナジーの最大化、最適化を図り、さらには、さまざまなステークホルダーとの連携により、世界の課題解決に貢献することも期待されています。

我々社外取締役は電通グループの企業価値の最大化や持続的成長、そして多様で豊富な社内資源の配分の最適化を実現するために、独立した立場で業務執行に対する監視を強化することが求められています。民間企業や大学で金融や国際経済、マネジメントなどに関わってきた知見を活かし、私も監査等委員として、監査室や監査法人と協力・連携しながら、価値創造プロセスに少しでも貢献できるよう努めてまいります。afterコロナという社会が大きく変わる時代にあっても、電通グループが世界の価値創造を牽引していくことを大いに期待しています。

取締役・監査等委員(社外)

サイモン・ラフィン

電通グループの取締役に選任していただいたことで、日本人以外の取締役は3名となり、さらに多様性のある取締役会となりました。海外事業が売上総利益の60%を占めるまでに伸長した現在、これは重大な意味を持ちます。市場環境や商習慣は国ごと地域ごとに大きく異なり、電通のように世界中で事業展開するグループにおいては取締役会の多様性は強力な武器となるのです。

財務報告やリスクマネジメントなどをレビューする監査等委員会は、コーポレートガバナンスのあり方に極めて大きな影響を与えます。私は公認会計士であり、FTSE-100の構成銘柄に名を連ねる企業のCFOやさまざまなイギリス企業の会長や監査委員会の代表者を務めており、監査の分野で豊富な経験を積んでいます。取締役の業績監査に関して監査等委員会は、取締役会が適切にリスクをとりつつ、会社の持続的な成長を促進し、企業価値や収益性、費用対効果を高めていくよう働きかける義務を負っています。監査等委員会が積極的にこの役割を果たしていることは、取締役である私が保証します。

本年、発生した新型コロナウイルス感染症のパンデミックに代表される多種多様な課題にも対応していけるよう図るのが、取締役会の責務です。電通グループは、これからも変化に対応しつつ、コーポレートガバナンスを推進していきます。私も取締役として責務を全うしていく所存です。

コンプライアンスおよび内部統制の推進

コンプライアンス推進体制

電通グループでは、公正な事業を推進するため、「電通グループ行動憲章」を策定しています。コンプライアンス体制としては、取締役および執行役員において、法令違反その他のコンプライアンスに関する重要な事実を発見した場合には、遅滞なく役員会や内部統制・リスク委員会において報告するとともに、速やかに監査等委員会に報告します。

また、社員のコンプライアンス体制の維持・向上を図るために、規則の整備や各種研修の実施などにより、社員のコンプライアンス意識の浸透と徹底を図っています。

「コンプライアンスライン」の設置

電通ジャパンネットワークでは、公益内部通報窓口として「コンプライアンスライン」を設置し、外部法律事務所に社外通報窓口も設け、通報者が一切の不利益を被ることがないような体制を整備しています。

また電通ジャパンネットワーク各社に対しては「コンプライアンス・ダイジェスト」の配信や研修の実施を通じて理解促進を図っています。

内部統制推進体制図

「Speak Up!」の設置

電通イージス・ネットワークでは、公益内部通報プログラム「Speak Up!」制度を設け、懸念される出来事や不正行為の疑いを報告することが可能です。社員は、ラインマネージャー、人事部門の相談窓口、シニアマネージャーに報告するか、社内苦情処理手順を踏むことができます。詐欺などの不正行為を行った社員に対しては、適切な法的措置、懲戒処分を行います。また独立専門業者のSafecall社とも契約しており、1年365日、24時間、複数言語での電話、Eメール、WEBサイトを通して、匿名で連絡を取ることができるシステムを整えています。

懸念される出来事及び不正行為

  • ハラスメント
  • 窃盗または詐欺
  • 贈収賄および汚職
  • 情報セキュリティーの侵害
    ( 個人情報/秘密情報の紛失または窃盗など)
  • 経費の乱用または水増し
  • 契約上の義務の不履行
  • 会計および税務における不正

腐敗防止対応

電通グループは、誠実かつ公正で透明性の高い事業活動を遂行するため、腐敗防止方針の策定に向けて取り組んでいます。事業拠点を置く世界各国・各地域の贈収賄規制を遵守することで、不公正な利益を得るための汚職行為に関わることを未然に防止します。また社内研修を通じたコンプライアンス意識の醸成に努めることで、社会的責任を果たしつつ、健全な事業活動を行います。

海外グループの贈収賄への取り組み

電通イージス・ネットワークにおいて、DAN各社のコンプライアンス研修をイントラネット上で行っています。参加者の受講率は90%以上と高く、研修後のフォローアップとして各社独自に研修会を開くなど、社員の意識向上に努めています。

反社会的勢力に対する方針

電通グループは反社会的勢力および団体との関係を遮断し、反社会的勢力および団体からの要求を断固拒否するために、担当部署を設置し、社内外の協力窓口と連携して対応しています。また、当社および当社グループ各社は、「暴力団等反社会的勢力排除に対しての基本方針」を定め、反社会的勢力に対して断固たる姿勢で臨むとともに、ビジネスパートナーに対しても同様の対応を求めています。

方針の詳細についてはこちらをご参照ください。

税務行動原則

電通グループでは「グループ税務行動原則と行動規範」を定めており、電通グループの事業戦略、事業活動、企業価値および社会的責任との整合性を保ち、かつ、適切な税務ポジションをとることにより当社グループの価値を維持・向上しつつ、適切な時期に、適切な場所で、適切な金額で納税を行っています。

税務行動原則についてはこちらをご参照ください。

くわしくはコーポレートガバナンス報告書をご覧ください。