電通
統合レポート
2019

Message

社外取締役からのメッセージ

電通グループの
コーポレートガバナンス

社外取締役(監査等委員)長谷川 俊明
社外取締役(監査等委員) 長谷川 俊明

電通グループのコーポレートガバナンスは、2020年から、大きく姿を変えることになります。グループが持株会社の傘下に入るようになるからです。この持株会社化が、電通グループのガバナンス向上にどうつながるのか、あるいはつなげられるのかを考えてみます。ここでいう持株会社は「純粋持株会社」のことで、株式保有を通じて子会社の支配・管理を主に行い、広告代理業などの事業は行いません。それらの事業は、子会社となる株式会社電通に移されます。
従来、株式会社電通は、「事業持株会社」として、広告代理業などを行う傍ら子会社の管理を行ってきました。ただ、世界中の海外子会社も対象にしなくてはなりませんから、グループ会社のガバナンスや企業集団内部統制の実(じつ)をあげるのはかなりの負担になります。
グループの持株会社化によって新たに持株会社の子会社となる株式会社電通は、グループ全体のなかで、一部の国内事業を担う子会社の管理を全く行わなくなるわけではありませんが、国内の業務執行にほぼ専念できるようになります。
いま電通グループのガバナンスを論ずるうえで最大のテーマは、海外子会社も対象にしたグローバルガバナンスの向上であるといってよいでしょう。
今後、グローバルガバナンス体制をより実効性あるものとしていくのは、持株会社の役割になります。グループ全体のガバナンスと事業執行を持株会社と子会社の間で役割分担すると考えればよいでしょう。持株会社によるグループ経営のメリットはさまざまありますが、何といっても「経営の大改革」ができる点にあるでしょう。経営戦略の決定と事業執行マネジメントを分離することで、責任はより明確化し、経営の効率化・意思決定のスピードアップを期待できます。
グローバル化とともにデジタル化が進み、スピード経営が求められます。顧客・クライアントのニーズにいかに的確かつ迅速に応えられるかにビジネスの浮沈がかかっています。
持株会社化は、企業統合、M&A、グループ内での事業の再編・多角化などの、より機動的な推進に役立ちます。事業部門を子会社に移すことで、持株会社のスリム化によるコスト削減を実現する一方、子会社が担う事業部門の活性化、経営責任の明確化が図れるでしょう。また、そのため円滑な人事・労務管理も可能にしますので、社員の"やる気"を向上させることも期待できます。
電通グループが持株会社化を通じてグループガバナンスを向上させ、ひと回り大きな企業グループに成長することを確信しています。

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