電通
統合レポート
2019

Top Message

さらなる新しい
電通グループの創造に向けて

代表取締役
社長執行役員 代表取締役 社長執行役員 山本敏博

電通グループは、国内の労働環境改革を中心とする、2017年度および2018年度の2か年にわたる改革期を終え、現在は、さらなる事業基盤整備を進めながらも、持続的成長の実現に向けたグループ全体の事業変革推進に取り組んでおります。過去2年間は、社員の心身の健康を最優先に捉えることを中心に据えて、業務プロセスの見直し、ITなど社内インフラへの大胆な投資、オフィス環境の改善整備、人事制度改革や従業員の成長支援など、総合的かつ抜本的な、多岐にわたる施策の導入を主に国内事業において推進いたしました。同時に海外事業で進めた事業基盤整備も併せて、これらの改革が、今後の成長と競争力の源泉となるたしかな手ごたえを感じています。

「多様性」が求められる世界
「アフターデジタル」と呼ばれる、かつてないビジネス環境のもと、すべては瞬時にグローバルスケールで直結しています。広告、そして広告会社の未来を考える際、そこには2種類の未来があると思います。
一つは広告そのものの進化の先にある「広告」の未来です。言葉や写真だけで構成されていた広告に音声が加わり、映像が加わり、さらにスポーツの試合、街を歩く人ですら、広告メディアとなりうる時代になり、そこにインターネットが登場して以降、広告に使える「メディア」は爆発的に増えました。 種類が増えた分だけ、広告が難しくなっていると言われたりもしますが、実は広告の中に取りこみ、より効果を高めるために使うことのできる価値ある手段や媒体が増えているのだと思います。手段が増えることで実現しうる、より効果ある、そして今までとは全く違う広告を次々に形にしていく。そこに広告会社の一つめの未来があると思います。
もう一つは広告会社が「広告」を超えていくという未来です。広告会社の仕事の本質は、顧客の課題を発見し、その課題を解決しうるアイデアを生み出し、実行していくところにあります。広告という言葉の定義を最大限に広げて考えても、さらにその 「広告」を超えて、問題を発見しアイデアを用いて解決していくべき場、つまり課題が世の中にはたくさんあると考えています。それが「広告」を超えていくという言葉に込めた意味です。
こういった機会を迅速に、そして柔軟にとらえていくために私たちが獲得しなければならないのは「多様性」です。

「多様性」を創発していく企業グループへ
私たちは、2020年1月を期して、純粋持株会社体制への移行を決定し、目下その準備にあたっております。これはまさに、変化に果断に挑戦していくために、グループ内の「多様性」を最大限に高めることを企図したものです。
120年近くに及ぶ歴史を持つ電通自体も、「多様性」を内包することで時代の変化に対処してまいりました。そして今後、電通グループが獲得すべき最大の強みは、特定の国の優位性に依拠するのではなく、世界中に点在する多様なチカラを臨機応変に組み合わせることができる「メタナショナルなグループ」としての「多様性」です。
2013年以降、グローバル経営の先進的オペレーションを有する電通イージス・ネットワークの成長によって、電通グループは145以上の国と地域に1,000社を超える企業集団を展開し、6万人強の社員を有する規模となりました。グローバル化の初期の目標を達することができました。
今後はさらに、世界に広がる「多様性」と内なる機能や才能という「多様性」が出会い、創発していく企業グループへと進化させていきます。
世界中、どのマーケットで生まれた、新しいナレッジやタレント、イノベーションも、たちまちに伝播することが可能な時代。だからこそいち早く、電通グループ内のあらゆる「多様性」を発見し、つないで、ただちに展開することが必要です。プロジェクトの起点は、世界中の、グループの、社員のすべてに与えられた「機会」であり、チームのメンバーはすべて「One Dentsu」に所属するdentsujinです。電通グループは、こうして世界に6万人、あるいはそれ以上に拡張していくのです。

ステークホルダーの皆様、そしてすべてのお客様
お客様に常に高い価値を提供し続けること。それが私たちの存在理由です。そして、お客様のことを考え抜き、お客様の成長に貢献することは、お客様のそのお客様、最終消費者はもとより、共同体、社会、世界について考え、より豊かな社会、よりよい世界の実現に貢献することに他なりません。
社員もまた、私たちの大切なステークホルダーです。電通グループで働くことによって、さまざまな価値を実現して、お客様や社会に貢献できるという「よろこび」とともにある、そういう集団でありたい、と思っております。

電通グループは、持続可能な社会実現に向けて、お客様とともに歩み続けます。そのためにも、より一層の改革に邁進してまいります。なにとぞ、ご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

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