連結業績
2013年度における当社グループの売上高は、前年度比19.0%増の2兆3,093億円となりました。
売上総利益は、売上高同様、前年度を71.7%上回る5,940億円となり、オーガニック成長率は7.7%となりました。売上総利益をセグメント別で見ますと、広告業セグメントは前年度に買収したイージス・グループに係る収益を2013年度から取込んだことにより、同76.6%増の5,713億円となりました。情報サービス業セグメントは、電通国際情報サービスの金融ソリューション領域が好調であったことなどにより、同4.0%増の228億円となりました。また、その他の事業セグメントは、同5.4%減の35億円となりました。
販売費及び一般管理費については、イージス・グループの取込みに加え、のれん等償却額の増加により、同81.8%増の5,225億円となりました。
営業利益は、売上総利益の増加が販売費及び一般管理費の増加を上回った結果、同22.3%増の714億円となり、当期純利益は388億円(同6.8%増)となりました。

- *1
- 営業利益+のれん償却費+無形固定資産償却費(除くソフトウエア償却費)
- *2
- のれん等償却前営業利益÷売上総利益×100
地域別の状況
地域別では、日本の売上総利益は前年度比8.9%増となる3,114億円、のれん等償却前営業利益は同33.4%増の724億円となりました。EMEA(欧州・アフリカ・中東)の売上総利益は同3036.0%増の1,086億円、Americas(米州)が同176.8%増の936億円、APAC(アジアパシフィック、ただし日本を除く)は同256.0%増の807億円となり、電通イージス・ネットワーク全体の売上総利益は、同372.0%増となる2,828億円、のれん等償却前営業利益は同397.3%増の413億円となりました。

- *3
- 欧州・アフリカ・中東
- *4
- 米州
- *5
- アジアパシフィック
オーガニック成長率については、第1四半期、第2四半期にマクロ環境が非常に厳しい状況にあったEMEAの成長率が2.3%と低調に推移しましたが、Americas、APACは、それぞれ7.8%、8.9%、電通イージス・ネットワーク全体では5.9%となり、日本のオーガニック成長率9.2%と合わせると、当社グループ全体では7.7%の成長率となりました。
のれん等償却前オペレーティング・マージンについては、日本では23.3%と非常に高い水準となりました。また、電通イージス・ネットワークも13%台から14%台へと改善してきており、全体で19.2%と上昇しています。

- *6
- 2013年度より、旧イージス・グループの業績を連結
プロフォーマによる補足説明
- *7
- 2012年1月1日にイージス・グループ買収を実施したという想定で、当社2012年度実績に、イージス・グループ2012年実績を日本会計基準で連結、買収関連コストを控除したうえで、当年度と同額ののれん等償却費を調整(為替レートは前年を使用)(未監査)

- *8
- 営業利益+のれん償却費+無形固定資産償却費(除くソフトウエア償却費)
- *9
- のれん等償却前営業利益÷売上総利益×100
財政状態
2014年3月末の連結貸借対照表は、イージス・グループを買収したことによる影響が大きく反映されています。
流動資産1兆3,683億円(前年度末比21.9%増)が増加した背景は、ほとんどがイージス・グループの受取手形も含む売上債権です。固定資産1兆2,699億円(同17.3%増)は、為替変動(円安)の影響が大きく反映されています。為替変動の影響については、連結貸借対照表の純資産の部「為替換算調整勘定」にも表れています。
流動負債1兆2,532億円(同4.9%減)は、イージス・グループの営業債務が加わったのに対し、2013年3月末に計上していたイージス・グループ買収に係る未払金を2013年4月に支払い、減少しています。固定負債4,765億円(同70.6%増)は、主にイージス・グループ買収のための借入金増加によるものです。
株主資本7,158億円(同25.5%増)の増加は、当年度に増資を実施したことが主な要因であります。
結果的に、総資産は2兆6,383億円(同19.6%増)と大幅に増加しました。主に、為替の変動とイージス・グループを連結したことによるものです。
2014年3月末の有利子負債は3,425億円、一方、現金及び預金と有価証券の合計が2,286億円ですので、ネット有利子負債は1,138億円です。これを2013年度のEBITDA1,308億円で除したネット有利子負債/EBITDA倍率は0.87倍、また、2014年3月末の純資産9,084億円で除したネットD/Eレシオは0.13倍となっています。
キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローで975億円が創出された一方、イージス・グループ買収を中心に活発な投資活動を行ったため、投資活動によるキャッシュ・フローは3,180億円の支出と高水準になりました。財務活動によるキャッシュ・フローから得た資金は2,265億円となり、主に長期借入による収入、自己株式の処分による収入および株式の発行による収入により、収入が2,318億円増加しました。
配当
配当金については、1株当たり年間配当金を33円(前年度比1円増)とし、配当性向は23.4%となっています。